多摩区菅北浦で道場を営むプロレス団体「ヒートアップ」は、川崎市とどろきアリーナ(中原区)で9月17日、3度目の興行大会を実現させた。同団体の社長とレスラーを兼任し、この日デビュー18周年を迎えた田村和宏代表(41)=枡形在住。コロナ禍で規模縮小の中、観戦者に明るい未来を感じてもらおうと準備に奔走し、メイン試合でリングに上がった。
会場入口では手指消毒や検温、全身への空気噴射による除菌で来場者を迎えた。客席は大幅に減らして400席とし、中継で動画配信。総勢31選手で6試合、リングは試合ごとに消毒した。
2冠王者の田村代表は最終試合、デビュー50周年を迎えた藤波辰爾選手(67)を挑戦者に迎え、一対一のシングルマッチを果たした。レジェンドをリングに沈めることは叶わなかったが、身長差20センチ以上の大きな相手に接戦を展開。会場ルールに従い、観客からは歓声に代わり拍手が送り続けられた。「完敗だった。(50周年の)藤波さんとは歴史が違い過ぎる。それを埋めないとプロレス界の未来はない」と田村代表。選手として高みを目指す決意を固めた。
障害者 運営担う
ダウン症の姉がいる田村代表は2013年のヒートアップ設立以来、障害者福祉や青少年育成に注力。今大会では、所属レスラーで先天性難聴の今井礼夢選手(16)がシングルマッチで惜敗するも、昨年のデビューから成長を見せた。
プロレスを通じた障害者の就労支援として、今回は運営の手伝いに5人を雇用。会場用シート敷設やリング、客席設置をはじめ、開場後は受付対応も担った。従事したのはコーヒー製造等を行う中原区の障害福祉サービス事業所「レジネス」の利用者。同事業所を営むNPO法人レジストの斉藤剛理事長は「コロナで業務が減る中、仕事をいただけるのはありがたい。普段は室内作業が中心なので、外に出て人と対面できるのは、職業訓練の場としても貴重な機会」と感謝を表した。
観戦面では、多くの障害者に見てもらおうと131施設に無料視聴用の案内チラシを配布。会場では、音を振動に変える装置を導入して聴覚障害者を招待する予定だったが、感染状況を受けて断念した。コロナ下の興行開催について、田村代表は「感染対策はできることを全てやったが、演出や企画でもっとできることはあった。可能性はある」と総括した。
市内最大級の規模となる聖地・とどろきアリーナで、ヒートアップは16年と18年の2大会で1500人以上を動員。「ヒートアップも大きく成長しており、(自分が)選手と運営を両方やるのは限界に近い。団体として伸びしろはあるので、協力者を探し、体制を立て直して挑戦を続けたい」と展望を語った。
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