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多摩区・麻生区 人物風土記

公開日:2023.02.24

「おさかなポスト」代表で、ふれあい移動水族館の活動を全国各地で行う
山崎 愛柚香(あゆか)さん
生田在住 30歳

生き物への愛、次代へ

 ○…2年前に亡くなった父・充哲(みつあき)さんが創設した「おさかなポスト」の跡を継ぐ。多摩川の生態系を外来種から守ろうと、飼えなくなった生き物を引き取り保護。もらい手につないできた。生き物たちを連れ、各地の幼稚園や学校を巡るふれあい移動水族館では父に同行。今も続ける。「子どもが生き物に触れる機会をつくり、命の大切さを伝えたい」。父の域には「まだ達してない」。

 ○…物心ついたときから父と一緒にさまざまな水辺の生き物に触れた。高校はもちろん生物部。タイワンシジミの生息調査で県内の川全てを3年間かけて回った。大学では川や海にいる生物の病気や体の仕組みを学んだ。卒業後、実家に戻り活動を続けてきた。「コロナ禍は資金面で本当に大変だった。だけど、周りのつながりがあって乗り越えてきた」。今春からは活動の依頼も増え、希望の光が見えてきた。

 ○…仕事が減って良かったこともある。すい臓がんを患った父が他界する1年前、「私の残りの時間を全部、父ちゃんにあげる」と宣言。「今までずっと一緒だったから、特別なことは何もなかったんですけどね」。母の和代さん、妹の穂垂(ほたる)さんらと平穏な生活をかみしめる日々。2021年5月、自宅で父を看取った。「最期まで生き物の話をしていた。自分のやりたいことを貫く父だった」。その背中にそっと思いをはせる。

 ○…家族のほか2人の社員を採用し、6人体制で活動する。「生き物のことを面白いと思ってもらえるかは、私たちの話し方次第」。新しいことに挑戦したい気持ちもある。だが、事業を続けるには資金が必要なことも痛感してきた。「ビジネスとして確立することが継続になる」。人がうらやむような仕事を目指し、試行錯誤を重ねる。

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