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公開日:2023.08.04

JR稲田堤駅
南側通路と新駅舎が開始
8月6日の初電から

  • 新設された自由通路(南側)。右奥に見えるのは仮改札口=7月28日撮影

 踏切を横断する歩行者の安全の確保などを目的に2019年から工事が進められてきたJR南武線稲田堤駅の自由通路(南側部分)と橋上駅舎の供用が、8月6日(日)に開始される。今後は自由通路北側や外構工事などが進められ、全体の整備は24年度中に完了する予定だ。

北側は来年度

 供用が始まるのは、自由通路南側と、エレベーター、エスカレーター、改札、トイレなど。8月6日の始発電車から開始する。

 同駅南側の駐輪場横に現在設置されている仮駅舎は閉鎖され、解体される。北側の自由通路は現在も工事が進められており、市では「2024年度中ごろの供用開始を目標に整備していく」としている。駅全体の整備が完了すれば、南北両側から橋上にある改札口にアクセスできるようになり、駅を利用したり線路を横断したりするための踏切の待ち時間も解消される。

 1日におよそ4万5千人が乗降する同駅。もともとは線路の北側のみに改札口があり、踏切の遮断時間が長く、地元からは利用者の安全性確保や利便性の向上を求める声が上がっていた。市は10年度に策定した「南武線駅アクセス向上方策案」に基づき、運営会社であるJR東日本と協定を結び、同駅の橋上化に向けた整備を進めてきた。

 供用開始を受け、地元菅町会の濃沼健夫会長は「十数年前から地域の皆さんが改善を求めてきたことがようやく実現する。川崎市とJRが住民の要望に応えてくれたことに町会としても感謝申し上げたい」と話す。同駅近くで豆腐店を営む元市議の廣田健一さんは議員時代、駅舎の整備をたびたび議場で質問した。廣田さんは「橋上化のめどがつき本当によかった。繰り返し市に声を上げてきたことが形になり感慨深い」と話した。

発車メロディーも変更

 同駅では現在、JRの各駅で通常使用している一般的なメロディーが使われているが、駅舎の供用開始と同日、発車メロディーが「丘を越えて」に変更される。

 昭和6年(1931年)に発表されて大ヒットしたこの曲は、作曲者の古賀政男が桜の花を見に、稲田堤の多摩川河川敷を訪れた際に着想を得て作られたといわれる。地域にゆかりのあるこの楽曲を発車メロディーに変更することを、菅町会と稲田堤振興会、市がJR東日本に要望して実現した。1番線と2番線では異なるメロディーが使用される。

 音源には、多摩高校ギターアンサンブル部の生演奏を収録したものが使われる。同部は全国のコンクールで最優秀賞や金賞を何度も受賞した実績がある。同部顧問の高橋拓也教諭は、「発車メロディーになるというのは部でも初めてのこと。依頼をいただけてうれしい」と述べた。JR東日本は「地元にゆかりのある楽曲が使われるので、駅をご利用になるお客さまや地域の皆さまにこれまで以上に駅周辺地域への愛着を深めていただけたら」と話している。

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