第60回神奈川県看護賞を受賞した 中澤 美奈子さん 麻生区上麻生在住 65歳
人を育て、安心生み出す
○…県内で看護師などの業務に励み、顕著な業績をあげた人を表彰する神奈川県看護賞を受賞した。現在は川崎みどりの病院とたま日吉台病院で看護部長を務める。看護師や介護職の育成に長年尽力し、人事評価などの仕組みづくりも進めてきた。外国人雇用も推進。安定した人材確保につなげている。中国などに赴き採用活動を担うほか、働きやすい環境を作り、キャリアアップを支援。「人を育てることが楽しい。好きなことで今回評価されたことがうれしい」と笑顔を見せる。
○…群馬県生まれ。小中時代はガールスカウトの活動でボランティアに励み、人の役に立つ喜びを感じた。がんを患った祖父が痛みに耐える中、優しく声をかけ、背中をさすっていた看護師。その姿が進路選択のときにありありと浮かび、聖マリアンナ医科大学看護専門学校に進んだ。
○…結婚後は子育てに専念し、仕事を離れた。子どもが小学校に入学すると、時間に余裕が生まれ、看護の道で活躍する友人がまぶしく見えた。約8年間のブランクがあり「現場に戻るのは不安だった」。勤務先では、その時の自身の不安を思い出しながら、仲間と共に看護師の復職支援プログラムを整備した。ナースコールが鳴る前に、患者の元へ向かう。そのために、とことん相手のことを知ろうと心掛けてきた。「あなたがそこにいてくれて良かった」。何度も出合ったその言葉。経験だけではなく、やりがいのある仕事の魅力を後輩に伝えている。
○…趣味はウオーキング。直近は四国を巡るお遍路旅にも挑戦した。出会う人や食を存分に楽しむ。「今しかできないことをやりながら、老いを楽しみたい」と笑う。そんな人生観は、患者と深く接することで育まれたのかもしれない。
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7月4日
6月27日