川崎市内で昨年一年間に運転免許証を自主返納した75歳以上の高齢者は2184人で、前年より2割近く減少した。新型コロナウイルスの感染拡大で外出を控えた人が多かったことが一因とみられる。一方、高齢者が関わる人身事故は横ばいで、中原警察署では「運転に不安があれば相談を」と話している。
高齢運転者による交通死亡事故が全国で増えていることを背景に、市内でも運転免許証を自主返納する人が近年増加。しかし昨年は6070人で、前年の6287人より217人減少した。うち75歳以上は2184人で、前年の2670人より2割近く減った。県全体でも同様の傾向が見られ、前年比2391人減の4万3768人だった。県警交通総務課の担当者は「一概には言えないが、コロナで外出を控えたことが一因ではないか」と話している。
中原区内の返納者は前年比56人減の880人。緊急事態宣言が解除され、外出しやすい季節にもなることから、中原署では「運転に不安があれば、まず相談してほしい」と危機感を強めている。
自主返納した際に交付される「運転経歴証明書」は、提示することで各種サービスが受けられる。県内では3月17日時点で186の企業や団体が協賛。商品の割引や無料配送などの特典があり、身分証明にもなることから同署では申請を促している。
「高齢者絡み」横ばい
一方、65歳以上の高齢者が関係する人身事故は横ばいだ。昨年市内で発生した高齢者が絡む人身事故は892件(前年901件)。人身事故全体の2878件のうち、約3割が高齢者が関係している。同署では「コロナで交通事故が減った印象はなく、公共交通機関を避け自動車で移動したケースもあったのでは」と推測。一般ドライバーには、高齢者の特性を踏まえた運転の必要性を呼びかけている。
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