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中原区 人物風土記

公開日:2024.11.29

女子プロボクサーとして、12月に初のタイトル戦に挑む
柳尾 美佳さん
上平間在住 29歳

掲げた拳で未来を拓く

 ○…大学を卒業後、自衛隊に3年間勤務した「元自衛官ボクサー」を名乗る。デビュー戦はKO負け。「次も負けたらやめる気持ちで臨んだ」という次戦でKO勝ちし、勝利の味を知った。周囲の猛反対を押し切り、女子プロボクサーになって5年。「ずっと夢見てきた王者へ挑戦するときがきた」。この道に進んだことを家族や周りに納得させるためにも、チャンピオンの称号を手にすると誓う。

 ○…平間小、平間中の出身。子どものころは、1歳上の姉よりも4歳上の兄の後ろをついて回った。野球や格闘技が好きで、負けて泣いても諦めなかった。「母からは女の子の格好をしながら、手にはウルトラマンを持っているような子だったと言われます」。中学から大学まではソフトボールに打ち込む。体力づくりのつもりで近所のジムへ行き、出合ったのがボクシングだった。

 ○…最近、自身のSNSでLGBTQ(性的少数者)であることを公表。「一世一代のタイトル戦を前に、応援してくれる人たちに自分のことをきちんと知ってもらいたくて」。中学生のころには「男子に負けたくない、強くなりたい」という気持ちが強くなっていた。自身の性的指向に思い悩むことは少なかったが、カミングアウトすることで「同じような境遇の人に力になれるかもしれない」と踏み出した。

 ○…「リングの上は性別や指向に関係なく、自分を表現できる場所」。将来は誰もが居心地良く過ごせるようなジムを開き、指導してみたいという夢もある。試合前には2カ月半で10kg近くも減量する。食べることが好きだから練習よりつらいが、楽しみなのが試合後のご褒美だ。タイトル戦が終わったら、「まず家系ラーメンとマックが食べたい」と笑った。

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