中原区 人物風土記
公開日:2025.05.02
4月6日に「丸子山王 日枝神社」の第38代宮司に就任した
山本 喜道(のぶみち)さん
上丸子山王町在住 42歳
父の背を追い、伝統守る
○…「街が大きく変化していく中で、伝統文化を継承していく大きな役割を与えられたと思っている」。平安時代に創建された1200年の歴史をもつ日枝神社の新宮司として、父・雅道さんの後を継いだ。歴史を知る親類や近くに暮らす二人の妹など、頼りになる存在が周囲にいることが心強い。「まだまだ勉強しなければならないことは多いが、期待に応えたい」と思いを口にした。
○…小さなころから父の姿を見て育った。正月や夏祭りなどの行事のときには親戚一同が集まる。「家族みんなが地域の人たちと力を合わせ、楽しそうに準備をしている様子が目に焼き付いている」。跡を継ぐことは強制されなかった。高校生のときに意向を聞かれ、自分の意志でこの道を選択した。大学卒業後、栃木県の日光二荒山神社で5年間、学びを深め、修行を積んだ。
○…長く続けられるスポーツであることを理由に大学時代に始めたゴルフは、平均80台のスコアで回るほどの腕前。師匠でもあるゴルフショツプの代表には、ゴルフ以上に電話の受け答えから人との接し方などについて指導を受けた。「社会に出たことのない自分に、社会人としての常識を教えてくれた」。今でも一緒にコースに出てラウンドを重ねる間柄だ。「日常を忘れ、ひとときの息抜きにもなっています」
○…禰宜のときから中原消防団の丸子分団に所属し、地元住民の安心・安全を守る活動にも従事。4月に行われた新宮司就任奉告祭には多くの関係者が参列した。6月には出席者が200人を超える盛大な着任祝賀会も開かれる。「子どものころから神社は地域の人たちに支えられていると感じてきた。これからも力を借りながら、感謝の気持ちを持って地域の発展に尽くしていきたい」
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