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公開日:2025.07.25

中原支援学校住吉分教室
自分の考え、1票に込め
住吉高校で模擬投票授業

  • 木製の投票箱に1票を投じる生徒

  • 記載台で候補者の名前を記入

 県立住吉高校(木月住吉町)で7月18日、参議院選挙に合わせた3年に1度の模擬投票の特別授業が行われ、同校に分教室がある県立中原支援学校の高校生35人も投票に臨んだ。生徒たちは誰に託すのかを自分で考えて投票用紙に記入し、実際の投票所と同じようにしつらえた教室で投票箱に思いを込めた1票を投じた。

 住吉高校で行われる模擬投票の特別授業は、公共(現代社会)の授業を受ける2年生全員と政治経済を選択している一部の3年生が任意で参加。今回は7月20日の参院選に立候補した実際の候補者を対象に実施し、同校に住吉分教室がある中原支援学校の1年生から3年生の生徒たちも模擬投票を体験した。

 会場入り口に座った受付係が、有権者として参加した生徒一人ひとりの投票(入場整理)券と本人確認を行い、投票用紙を交付。生徒は緊張した面持ちで投票用紙を受け取り、投票記載台で自分の思いを託した候補者の名前を書き込んだ。使われた投票箱は、川崎工科高校の生徒が手作りした本物と同じサイズの木製品。投票管理者役の教員が監視する厳粛な雰囲気の中、生徒たちは順番に投票用紙を投函(とうかん)して行った。

 中原支援学校の生徒会長を務める川又匠さん(3年)は、投票を終えるとほっとした表情を見せた。「初めての経験だったので緊張した。でも、模擬投票をきっかけに政治への関心が高まり、真剣に考える機会になった」。同校の添木博校長は「生徒たちは事前授業で国政について学んだ。卒業後に就職する生徒も多く、昨今の物価高や最低賃金などの生活に直結することに関心が高いようだ」と分析する。

 川又さんは「立候補者がもっと若者の興味を持つような公約を掲げてくれると、若い人が投票することにつながると思う」と話し、「投票を体験してみて、自分の一票が貴重なものだと感じた」と思いを口にした。

 住吉高校では障害の有無など個々の違いや課題を超え、全ての生徒が同じ環境で学び合い、共生社会を構成していくことを目指す「インクルーシブ教育」の視点から、体育祭や文化祭で生徒らの交流の場を設けている。今回の模擬投票もそうした取り組みの一つ。住吉高校の梅澤広昭校長は「自分の考えを表明する機会として、1票を投じることの大切さを知ってもらいたい」と思いを込めた。今後、模擬投票の投票率や各候補者への投票数などは1カ月後を目安に集計され、教育委員会へ報告される予定。

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