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中原区 人物風土記

公開日:2025.09.12

ボッチャの川崎市代表(ペア)として10月に行われる国体に出場する
柏 久美子さん
上平間在住 74歳

困難乗り越え夢の舞台へ

 ○…重度の脳性まひ者や四肢まひ者のために考案されたスポーツ、ボッチャ。今年、川崎市の大会で準優勝し、横浜市の大会では優勝。その実績が評価された。結果について「運の要素も大きかったからね」と謙遜交じりに話す。「国体の話を聞いた時は『私なんて』と思っていたけれど、今は目標ができてワクワクしている」と照れたように笑う。

 ○…59歳のとき、脳出血で倒れた。一命は取り留めたものの、重度の上下肢運動まひと上下肢感覚まひの後遺症が出て、車いす生活に。今まで当たり前にできていたことが突然できなくなり、周囲への申し訳なさから、気持ちは暗くふさぎ込んだ。しばらくして、簡易車いすから電動車いすに変えてからは、自力で様々なところへ出掛けられるように。そして、4年前に出合ったボッチャが人生を変えた。

 ○…リハビリのために訪れた障害者スポーツセンターの体育館で、ボッチャをする人たちを偶然見掛けた。声を掛けられ参加すると、運動経験が少なくても周りと同じようにボールを投げられたことがうれしかった。一緒に盛り上がれたことも楽しく、自分のペースで少しずつ上達していくのを実感し、次第にボッチャにのめり込んでいった。バスや電車で練習に行き、疲れた体を深い睡眠で癒す毎日。腕を上げたことで自信がつき、当時を知る娘からは「お母さん明るくなったね」と言葉を掛けられた。

 ○…幼いころから心臓が悪く、体育の授業はいつも見学。校庭で遊ぶ同級生をうらやましく見ていた過去の経験から、国体は「夢の舞台」だった。「子どものころ辛かったのがここで帳消しされるよう」と目を輝かせる。今日も国体本場にに向け、練習を続ける。目標は優勝だ。

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