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中原区 トップニュース社会

公開日:2025.09.12

市内NPO団体
戦争の歴史、語り継ぐ
9月19日 上映会で意見交換

  • 8月にニュージーランドで「戦争を語り継ぐ」をテーマに実施=提供

 「戦争の歴史から人類は何を学んだのか」をテーマにしたドキュメンタリー作品の上映会などのイベントが、かわさき市民活動センター(新丸子東)で9月19日(金)に開催される。主催は、多摩区を拠点に活動するNPO法人国際協働企画室グッピーズ(金滋英理事長)。8月にニュージーランドで行った展示会の報告も行うほか、参加者による意見交換会も企画。「自由でオープンに、多様な意見が言える場になれば」と期待を込める。

 同団体は、国籍、居住地、年齢に関わらず、すべての人が平等に学び、体験、交流、発展の機会を得られる社会を目指すことを目的に、今年6月に発足。市内在住者だけでなく、沖縄、ニュージーランド、オーストラリア、スペイン国籍の人など10人のメンバーが参加する。今回、かわさき公益活動助成金のスタートアップ助成を受けて市内で初のイベントを企画した。

 8月にニュージーランドのオークランド市立中央図書館で行った原爆を中心とした展示会の報告をはじめ、アメリカのメトロポリタン州立大学の学生が制作した核兵器の歴史や強制収容所に送られた在米日系人の歴史に焦点を当てたドキュメンタリー作品のダイジェスト版などを上映。その後、参加者による意見交換会も行う。金理事長は「学校では平和学習を行っているが、今でも世界各国で戦争が起きている。学んでいる視点が違うのではないか。そういったことも含めて、多様な視点で意見交換ができれば」と呼び掛ける。

 午後6時30分から8時。参加費は500円(資料代、飲み物代)。問い合わせは【メール】info@theguppies.org。

「共に考える機会を」

 不登校の子どもたちの家庭支援や、海外留学等のサポートなど、メンバー一人ひとりが興味のあるテーマをもとにした活動を展開していく予定の同団体。

 発足後、初となったニュージーランドでのイベントでは「戦争の記憶を語り継ぐ」をテーマに、3週間にわたって実施した。同国を会場に選んだのは、非核地帯を宣言している国であり、移民がオークランドの人口の4割を占めるため、多様な意見が聞けると思ったからだという。

 期間中、広島、長崎の原爆の被爆者の証言映像や登戸研究所の映像、映画『火垂るの墓』などを上映し、現地住民らと意見交換を行った。「それぞれの立場からさまざまな意見が聞くことができた」と金理事長。「誰が加害者だったのか」「どちらがより被害が大きかったのか」といった感情や視点の違いが浮き彫りになったという。

 金理事長は「戦争体験の継承は単なる『記録』ではなく、現代の課題や未来の選択とも深く結びついていることを改めて実感した。こうした意見を踏まえながら、戦争のない世界は可能なのかを共に考える場をつくっていきたい」と今後について語った。

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