育児サークルで国際協力 「ファンキーキッズ&マム」の取り組み
区内在住の百武千文さんは「子育て中の外国籍ママと育児に関する情報交換をすることで、お互いに支えあいたい」と、息子が9カ月の頃、子育てサークル「ファンキーキッズ」を立ち上げた。
設立当初は区内に住む中国やアメリカ、インド、インドネシア国籍の親子と日本人の親子ら約30組が集まり、料理教室などを通じ国際・文化交流を行ってきた。
百武さんは国連の専門機関「UNIDO(国連工業開発機関)」の職員として17年間勤務した経験を持つ。途上国の工業開発に関するプロジェクトの推進に携わり、様々な国を見てきた。「どこの国でも子育てはとても重要で、それだけ困難も多いと思う。見知らぬ土地でならなおさら。気軽に情報交換したり、コミュニケーションを図れる場所が必要だと思った」と百武さんは当時を振り返る。
親子で国際交流を図るうち、中心となって参加する母親たちの心に少しずつ、国際協力という意識が芽生え始めた。「母親である私たちにできる国際協力は何か」を模索する中で、海外の子どもの里親として学校卒業まで見守ることにたどり着くと、自分たちでバザーやイベントなどを開催した収益で、これまでに2人の子どもを支援した。日本の子どもたちに向けては、開発教育のワークショップを行うなどして、途上国の現状や、途上国との関わり方などを考える機会を創出してきた。「自分たちで考え、実行に移すことで国際協力が見えてきた。どんなかたちでも、今自分たちにできることを精一杯やっていきたい」
百武さんらは今、新たなプロジェクトを模索している。「生きた英語に触れる機会をもっと身近に提供したい。ママたちが少しずつできることを行って英会話サークルみたいなものをつくれないかと考えている」
かつてのサークル活動でできた外国籍ママなどのネットワークを活用し、いきた外国語を学ぶ機会を子育てサークルの中で行うプロジェクトに取り組んでいる。
「麻生区のママたちは海外経験を持つなど、外国語が話せる方が大勢いる。そうした資源をうまく繋ぎ合わせて、子どもたちや地域に貢献できれば」。ママたちの挑戦は、形を変え、国境を越えてどんどん成長していく。
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