タウンニュース麻生区編集室では、区選出の市議会議員、県議会議員に対してアンケート調査を実施した。4月から始まる「2018年度」と「今後10年間」の2つの時間軸での取り組むべき優先課題について聞いた。
「麻生区の優先課題アンケート」は2月下旬から3月19日にかけて実施。市議7人と県議2人の全議員から回答を得た。質問の内容は、「2018年度(直近)で進めていくべき課題」と「今後10年間(中長期)で進めていくべき課題」の2項目。いずれも記述式で両項目で3つ(それぞれ20文字以内)の優先課題。
2018年度に取り組む課題
2018年に取り組むべき優先課題として多くの議員が挙げたのが交通や福祉、子育てに関する回答。
最も多く挙がったのが交通・インフラに関する課題(7件)となった。コミュニティ交通の導入に言及する議員が多く、横浜市営地下鉄3号線の事業化についても直近の課題として挙げられた。
次いで福祉関係の6件、子育て関係の5件が主な複数回答。医療や介護分野で進む在宅での対応を進めていく声が多かったほか、特養ホームの増設といった回答も。コミュニティ交通の拡充も含め、高齢化が他区よりも進む麻生区での直近課題として高齢者への対応に取り組みたいとする回答が多く集まっている。子育て分野では、保育所の整備や増設で待機児童対策や保育所の質向上を進めていきたいとする意向が回答に寄せられた。
市議と異なった県議の視点
直近課題の回答では県議2人が振り込め詐欺といった特殊犯罪への対応や交通安全対策を18年度の課題に挙げ、市議との視点の違いも明らかになった。そのほかの18年度で進めるべき課題としては「芸術文化の街づくり」「地域資源を活用したコミュニティづくり」「プレミアムサポート等を活用した活性化」といった文化や商業活性に関する回答も寄せられている。
今後10年で取り組む課題
中長期的な課題として多くの議員が挙げたのも交通・インフラに関する回答(9件)だったが、内容の変化やそこから派生した課題もキーワードとして挙がっている。
地下鉄延伸は直近課題の事業化決定から開通へと、より具体的な回答をする議員がいたほか、地下鉄延伸と複合的に絡む新百合ヶ丘駅周辺の再整備、柿生地区の再整備計画など交通を軸としたまちづくりの推進にも回答が集まった。
環境、農業対策にも回答
ほかに今後10年で取り組む課題として多く挙げられたのが環境・農業に関する回答(6件)。「生産緑地及び農業振興地域に対する支援」「環境教育と農で育む地域づくり」「里地里山・都市農業等の自然保護」といった農業や自然保護の取り組みの重要性が挙がっている。
また川崎市が進める地域包括ケアシステムの確立や子育て環境整備に取り組みたいとする意見(6件)が続いた。そのほかの課題は「防災対策の充実」や「減債基金からの借り入れに依存しない財政の確立」「全国市民健康度ナンバーワンのまちづくり」「公立小中学校における学力向上に向けた取り組み」といった、麻生区を含めた市全体で中長期的な課題に取り組みたいとする回答もあった。
住民の関心も不可欠
2004年から区選出議員と市民が市政について話し合う催しを開催している石田厚生さん=区内細山在住=は「(アンケート回答で)提起された地域課題は各議員とも当区を熟知しているだけにほぼ共通している」との認識を示しながら「今後は、解決に向けての具体的な財源確保や全市的な理解・支援の確保などに、地域議員の会派を超えた更なる尽力に期待したい。また『市民自治』や『地域分権』が進む中、身近な地域諸課題の解決には、当事者である住民自身による関心の高まりも不可欠。『協働』、『ご近所の底力(互助)』といった意識の醸成や取組みも重要と考えている」と話している。
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