2019年の年頭にあたり、タウンニュース麻生区版では多田貴栄区長にインタビューを実施した。1年目の区長職や昨年の振り返り、今年の重点施策などを聞いた。(聞き手/本紙・麻生区編集室編集長 中島正裕)
-昨年4月に区長に就任しましたが、区の印象などはいかがでしょう。
「明けましておめでとうございます。就任した時期は桜が満開で、豊かな自然が美しい街だなと思いました。また芸術文化が根付いていると同時に、町会自治会の皆様による活動や日常の市民活動がとても盛んだと感じました。禅寺丸柿のもぎ取りなど、多くの行事に参加して、多彩な魅力に触れることで、区の魅力を多くの方に知って頂きたいという思いと、区長としての責任を感じた1年でした」
-麻生の昨年というとどのような年でしたか。
「まず川崎・しんゆり芸術祭『アルテリッカしんゆり』が10周年を迎えました。クラシックから落語、子ども向けのものまで演目も豊富で、公演をサポートするボランティアの方々のご尽力も欠かせないイベントです。新百合ヶ丘駅周辺では新たな賑わいを創出する『しんゆりフェスティバル・マルシェ』が始まり、そして練習施設などが区内にある川崎フロンターレの2連覇もありました。他にも多くの取り組みが行われ、活発な1年になりました」
-行政の取り組みで見るといかがでしょう。
「大学と連携して『ちいきのちからシート』を作りました。これは区民の方々が地域の特徴や課題を確認することで地域づくりに反映させるといった使い方ができるツールになりました。また昨年は台風による倒木など風水害もありましたが、区の総合防災訓練を地域特性に合わせ2回実施しました」
地下鉄延伸や情報発信も
-2019年の重点施策はどのようなものが挙げられますか。
「引き続き地域包括ケアシステムの構築を進めていきます。区では認知症にやさしいまちを目指し、認知症カフェや家族会の支援を行っています。認知症予防や正しい理解、早期対応に向けた『あさおもの忘れガイドマップ』を年度内に作成し、地域ぐるみの取り組みにつなげていきます。また区内の保育施設向けに、子どもに特化した防災教育と防災訓練の普及を目的としたガイドブックを作成します。家庭向けにも持ち運びしやすいリーフレットを作成、配布する計画ですのでぜひ活用していただきたいと思います。また、命を守るという重要な部分を担うのが防災となりますので、地域での防災を進めてもらえるよう、今年も総合防災訓練を2回実施します。昨年同様、地域のニーズを取り入れたものを実施します」
-芸術文化のまちづくりへの取り組み支援も区にとって重要です。
「区内で多くの方が各方面で活動している分野ですので、今年はそういった方々が横軸でも交流できる取り組みを広げていきたいと考えています。これまでは代表者の方のマッチングの場を設けてきましたが、実際に活動しているメンバー同士が参加できる催しを区内全域を視野に入れて行っていく予定です。それぞれのグループが持つ強みを生かした新たなつながりが生まれることを期待しています」
-小田急のまちづくり参画や地下鉄の延伸など、新たな期待も感じられますが。
「小田急はフェスティバル・マルシェの運営組織に参加していたり、黒川に読売日本交響楽団の練習施設を誘致するなど、積極的にまちづくりに関わって頂いています。また横浜市営地下鉄延伸については横浜市が今年度末までに事業化判断を行います。区は川崎市の取り組みと歩調を合わせて取り組みを進めていきます。事業化が見込まれた場合には、一層、麻生区の利便性は高まり、賑わいも生まれます。まちの活性化に関わることとして、まずは横浜市の判断を待ちたいと思います」
-都市間競争という意味で区の魅力を発信していく必要性などは。
「情報発信の手法は研究していきたいと思っているところです。SNSやホームページでも情報を発信していますが、紙媒体も不可欠で、どちらかに偏っても十分ではないと思います。情報の量や質、発信のタイミングなど効果的に情報を届けるにはどういった手法が良いのかは検討が必要だと感じています」
-区民にメッセージを。
「今年はぜひ、区内のイベントやさまざまな活動に来て、見て、参加していただきたいと思います。地域や団体の活動は麻生市民交流館やまゆりや市民館などで発信されています。地域に顔の見える関係が生まれていけば、地域包括ケアも防災も、そして文化芸術分野もハーモニーが奏でられるように輪が広がり、安心して住み続けられるまちが形成されます。今年1年もそういった区を目指す取り組みを行っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします」
![]() 「安心安全なまちを目指します」(多田区長)
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