麻生区の農業生産法人カルナエスト(山田貢代表取締役)が市内産の規格外イチゴを使ったスパークリングワイン製造を試行している。都市農業に適した果実栽培に付加価値を持たせることで、廃棄ロスの低減や農家の所得向上につなげたい考えだ。
市内産イチゴのワイン作りは、同法人と和光大学が今年度に市の採択を受けた農産物加工モデル事業の一環。規格外の果実を同法人が買い取り、加工からラベルデザイン、販売までを一括で請け負う仕組みの構築が目的だ。今年度はイチゴのほかブルーベリーなどを使い、ワインやビール、ドライフルーツ等の加工を行う予定。
山田代表は現在、宮前区と多摩区の農家からイチゴを受託し、横浜市にある醸造所の協力でワイン作りを行っている。今年は約50kgのイチゴで醸造を行っており、できた数量や販売価格などの検証を経て来年度以降の販売を目指す。今後は一定量の製造を行うため、区内でワイン作りが可能になる特区申請や醸造所設置を進めていくという。「市内農家による加工品作りは商品化や販路で課題があった。果実から買い取ることで農家の負担を軽減すること、廃棄を無くし所得向上も考えていきたい」と山田代表は事業に期待を込める。
若手中心に 市内で増加
市内のイチゴ農家は一昨年の4軒から昨年は6軒に、準備中の農家を含めると来年には8軒まで増える見込み。市農業支援センター関係者は「都市部は消費者が近いのでイチゴ狩りや観光農園の需要が高く、若手を中心に取り入れたいとする農家は多い」と話す。
山田代表は「市内でイチゴを栽培する農家は今後も増えていくと思う。加工製造を請け負うことが、導入コストなどの不安を解消する受け皿になれば」と話している。
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