店の外に漂う香ばしい匂いに、自身の姿が大きく映った大きな看板-。柿生駅すぐそばに3月3日にオープンしたホルモン焼き店「ホルモン王子」(上麻生5の38の9)。経営するのは、区内在住の現役大学生・小楠裕己(おぐすゆうき)さん(20)だ。
店内に貼られた手書きのメニュー表には、ホルモン、ガツ、もつ煮などが並ぶ。価格帯は200〜300円。「基本はタレ。醤油、ハーブ塩でも楽しめるのは関東では珍しい。『安い・珍しい・うまい』がウリです」と笑顔で語る。
味に自信
「目指すは日本一の産業グループ」。そう語る小楠さんは現在、東京農業大学の3年生。実家は佐賀県で養豚場と、しゃぶしゃぶ店を営む。中学生の頃に「自分がやった方がもっとうまくいくと思っていた」と起業の原点を語る。
大学入学後、起業への思いが膨らみ、行動を開始。当初は焼き肉店を考えていたが、資金がより少なくて済むホルモン焼き店に決めた。津々浦々人気店を食べ歩き、大阪・西成の醤油味、地元・佐賀のハーブ塩味に独自のアレンジを加えた商品を開発した。
昨夏、佐賀農業大学校で66人から試食アンケートを行った結果、88点と高評価だった。そうしたデータをもとに経営計画書を作成。横浜の養豚場からの仕入れも可能になった。開店資金調達のために金融機関を回ったが、コロナの影響もあり、どこからも断られた。「とにかく早く始めたかった。自信があったので」と熱意で動いているとスポンサーがみつかった。
ホルモンが定着している厚木で勝負しようと、物件を探したが、良い所がみつからないことに加え、学生であることからも断れた。そこで見つかったのが柿生駅前の現物件だった。
露出増やしたい
迎えた3月3日。満を持して開店したものの、現実は厳しかった。当初は、友人たちが来てくれたが数日後には来店客はほとんどなし。「食べてもらえれば絶対に来てくれる」。「先着20名無料キャンペーン」を実施すると奏功し、リピーターが増え、常連客もできてきたという。「もう少しお客さんが増えて軌道に乗ったら、2店舗目を出したい」と野心をみなぎらせる。
自身を『ホルモン王子』と名乗り、SNSでも積極的に配信。少しずつ注目を集め始めている。「メディアの方、ぜひ来てください。何でも応えます」と大胆不敵に笑う。柿生発の大学生起業家のホルモン店。今後に注目だ。
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