麻生区 コラム
公開日:2021.11.26
柿生文化を読む
シリーズ「鶴見川流域の中世」中世史料・資料の隠れた宝庫 恩田郷(その1)【1】文:中西望介(戦国史研究会会員・都筑橘樹研究会員)
中世に生きた人々の生活の基盤となった郷村とはどの様な景観だったのだろうか。鶴見川流域を歩き集落・城館址・社寺や小祠・古墳や塚・石造物や墓地・古道・田畠や用水路等を観察しながら想いを巡らしてきた。地域史に取り組む者にとって郷村の景観を読み解く事は、史料や金石文に記された人物や事柄に具体的な姿や形を与える重要な仕事である。今回取り上げる横浜市青葉区恩田町は宅地化が進んでいるが、谷戸の景観が残り中世的な雰囲気を感じさせてくれる貴重なフィールドである。恩田は鎌倉時代から戦国時代は恩田郷、江戸時代から明治前期には恩田村とよばれていた。その場所は「こどもの国」の南側にあり、南は恩田川、西は東京都町田市成瀬境の丘陵尾根、東は田園都市線青葉台駅前を通る環状4号線の東側にある旧谷本村境の頼朝道と伝えられる尾根道を境とする広い地域である。
恩田郷を選んだ理由は2つある。1つは恩田郷が鎌倉時代から戦国時代までの文献史料が断片的ではあるが残り、さらに真言宗の古刹徳恩寺が所在し、鎌倉末期の万年廃寺梵鐘(他所に移動)や板碑・五輪塔・宝篋印塔などの石塔類、発掘によって得られた資料など中世を考える上での素材が豊かな土地である。
(つづく)
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