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麻生区 人物風土記

公開日:2022.02.25

市民団体「里山フォーラムin麻生」の代表を務める
堂前 雅史さん
麻生区在住 63歳

都市・自然の共存、モデルに

 ○…麻生区や近隣の里地・里山の保全活動を通じて、自然や暮らしの歴史、文化等を継承し、次世代へ繋ぐためのさまざまな取り組みを行う。3月21日(祝)には新百合21ホールで、区内で活動する自然保護団体が一堂に会するイベントを開催する。「各団体が年に一度、顔合わせする場。横のつながりがあり、こうした機会がある地域は珍しい。麻生区の宝ですよ」と笑みがこぼれる。

 ○…教鞭を執る和光大学で、学生と鶴見川流域や岡上の雑木林で清掃、下草狩りなどを行うサークル「かわ道楽」を2003年に発足。その活動が縁で、里山フォーラムに参加し、2010年に代表に就任した。都市の色が濃い川崎市。7区の中で麻生区は緑地、農地が多く残る。「緑地の管理に区民が立ち会っているのが素晴らしい。都市と自然、生物多様性が共存しているまちのモデルになれる」と力説する。

 ○…麻生区に住んで約60年。幼い頃、まだ森だった新百合ヶ丘で時間を忘れて遊んだ。ヘビをポケットに入れて持ち帰り親に叱られたことも。「ムツゴロウさん」こと畑正憲氏に憧れ、動物学に興味を持ち東大へ。大学院生時代には、指導教官として学生を連れてよくフィールドワークに訪れたことが今の原点だ。「和光の文系の学生が一生懸命やってくれる。それがやりがいにつながっている」と笑顔で語る。

 ○…学生時代に劇団に所属するほどの芝居好き。本物に触れて、空間が人間に伝えるものを学んでほしいと、ゼミ生と歌舞伎やプロ野球を一緒に見に行くことも。コロナ禍でサークル活動が休止し、継承が課題に。「麻生区の宝である市民活動や、つながりを次代に受け継いでいかないと。里山フォーラムがその一助になれば」。自然にふれる活動は続く。

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