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公開日:2022.12.16

上麻生在住今井さん
起業大会で県知事賞
寺・神社の場所貸し考案

  • 県知事賞のパネルを手にする今井さん

 神奈川県内の学生らを対象としたビジネスアイデアコンテスト「かながわアントレプレナーシップチャレンジ」の最終審査会が先月行われ、最高位の神奈川県知事賞に今井結菜さん(12)=上麻生在住=が選ばれた。今井さんは寺や神社に着目し、場所貸しやPR事業について発表した。

 同コンテストは、県が若年層に起業に挑戦する意欲を持ってもらおうと開催。39組が応募し、書類選考を通過した9組が最終審査に挑んだ。

 今井さんは、寺や神社で勉強・仕事ができる場所貸し事業と、事業を行うためにティックトックやインスタグラムといったSNSを活用する寺社の広報について提案。寺社へのインタビューや、アンケート調査、市場規模の計算などを盛り込み、プレゼンを行った。

 大学生や大学院生に交じり、中学生独りで挑んだ今井さん。受賞を受け「自信は半々だった」と笑顔を見せる。審査員からは、現実性のある内容に加え、事業への熱意が評価されたという。

過去の自分に向けて

 「SORYO事務所」と名付けたこの事業を思いついたのは、中学受験を前に、気持ちが落ち込んだ経験からだ。「思うように成績が伸びない辛さから心が病んでしまったとき、寺や神社の存在に救われた」と今井さん。日本文化や歴史が好きだったことから、近所の神社で御朱印を集めるなど参拝を通じて心が軽くなっていったという。

 次第に、過去の自分やZ世代と呼ばれる同世代に向けて「心が軽くなるような事業ができれば」と、寺や神社に関連する起業を思い描くように。通う学校では週に一度、起業に関する授業を受講。マーケティングの手法や専門知識を学び、同コンテストの発表にも活用した。父・雄也さんは「夕飯の食卓でも専門的な話題があがり一緒に話している」と語る。

 現在、今井さんは「お寺神社らぶ」のアカウント名で運用するSNSに広報動画を継続的に投稿。場所貸し事業は既存の京都のやり方を参考に、県内では鎌倉で実施したいと考える。今後の展開としては「メタバース(仮想空間)で神主や住職の話を聞くことができる事業にも取り組みたい」と話している。

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