川崎区・幸区 人物風土記
公開日:2017.07.28
川崎区日進町の複合施設「unico」をリノベーションした
武井 雅子さん
(株)ヨネヤマ 取締役 51歳
ブレずに一直線
○…「『やり遂げた』という感じ」と、澄み切った笑顔で語る。簡易宿泊所が立ち並ぶ川崎区日進町に8月、グランドオープンする複合施設「unico」の代表を務める。約50年前の(株)ヨネヤマの旧本社ビルと倉庫を活かした同施設には飲食店、整骨院などが入居。施設名はイタリア語で唯一無二を意味する。ビルの大家として常駐し、テナントの「困りごと」を共有。声かけをするなどコミュニケーションを積極的に取る。
○…同施設を所有する(株)ヨネヤマ創業者の孫で、夫は同社代表を務める。短大卒業後、航空会社や議員事務所に勤務。結婚後、子育てをしながら同社監査役として会社を支えた。子育ても一段落し、「unico」の工事が始まると、物怖じせず、まっすぐな「ブレない」性格を活かし「現場監督」として工事の進め方を建築会社やデザイン事務所らと話し合った。意見がぶつかることもあったが、「良いものをつくりたい」という思いは同じ。納得がいくまで互いに歩み寄った。
○…川崎区砂子出身。「夢のある人だった」と語る先代にあたる祖父の仕事ぶりを間近で見ていた。「祖父は『一儲けしてやろう』というタイプではなかった」。社員の衣食住を整えるだけでなく、川崎競輪場の前にシラカバの木を植え、多摩川に鮭の稚魚を放流するなど地域活動にも力を注いだ。「自分さえ良ければいいのではない」と、周囲があるから仕事が成り立つことを学んだ。
○…高校時代に出会った夫とは30年以上の付き合い。「夫というより、友達みたいね」ときっぱり。毎朝5時半に起床し、夫と2人で愛犬のドーベルマンの散歩をする。ケンカした翌朝も欠かさないなど、夫婦の絆を深める日課だ。代表を務める「unico」については、「これまでは社員の人生を担ってきた場所。これからは人と人が交流することで『化学反応』が起きる場所になれば」と期待を寄せる。
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