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川崎区・幸区 人物風土記

公開日:2019.01.11

大師地区商店街連合会の会長に就任し、8商店街をけん引する
石渡 茂さん
川崎区東門前在住 72歳

やるからには何事も本気

 ○…「でしゃばりは嫌だけどつい目立つ」。そんな人柄が「長」の立場に就かせるのかも知れない。店を閉じたにも関わらず、このほど大師地区商店街連合会の会長に請われて就任した。商連の会長と同時に、地元の大師銀座会の会長でもある。かつては大師小PTA会長、川崎市洋菓子協会会長なども務めた。「頼まれたら断れない」と苦笑い。

 ○…川崎区中瀬出身。かつて町長も輩出した地元の名家で、自身で9代目。大師中から川崎商業高校(現幸高校)を経て、日本大学に進学。「高校を出てすぐ働くのが嫌でね。商売人の親を説得する為に商学部経営学科にした」とにやり。

 ○…父親が始めた煎餅屋「鳩家(はとや)」の名を継ぐことは決めていたが、進んだ道は煎餅ではなく、洋菓子。1969年に大学卒業後、鎌倉風月堂に住み込みで修業をした。71年に実家の煎餅屋の半分を改装し洋菓子店「ガトーハトヤ」を始めた。結婚を機に78年にはパンの修行もし、洋菓子とパンの店に業態を変更。2002年にパン専門店「ブレッドファーム ハトヤ」となった。「ケーキもパンも時代に上手く乗って良く売れたよ」と景気の良かった頃を懐かしむ。一昨年6月に70歳で店をやめた時、「親戚からよくやったねと褒められたときは嬉しかった」と長きにわたる商売人人生を振り返る。

 ○…「確かに商店街は厳しい時代。客が来ない、と言っても人口は増えている。まだ手を尽くしてはいないはず。役職を受けたからには責任を果たしたい」と意気込む。「若い人たちにも期待したい。大師地区は『楽大師』などで頑張っている人もいる。商連としても後押しして一緒に地域を盛り上げたい」。次世代へのつなぎ役と自認しながらもその眼はしっかりと前を向いている。

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