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川崎区・幸区 人物風土記

公開日:2019.07.26

知的障害のあるアーティストの活動拠点作りに取り組む
大平 暁(おおだいらさとる)さん
幸区小倉在住 48歳

アートで共生社会目指す



 ○…知的障害のあるアーティストが創作活動に打ち込める活動拠点をコトニアガーデン新川崎にオープンさせようと準備を進め、クラウドファンディングにも挑戦中。11年前、幸区の障害者施設で障害のある人のアート活動のサポートを始めた。当初は余暇活動的なものだったが、参加人数が増え、作品のクオリティーも上がってきたことから、3年前に施設活動から独立し、「studio FLAT」を設立。「作品で収益を得る就労としてのアート活動を目指したい」と意気込む。5月には活動を事業化するためにNPO法人資格も得た。



 ○…保育園のころから絵を描くことが好きで、小学校の卒業文集で美大に行って美術の仕事に就くと書いた。自分が何をしたいのかよく見えていなかった高2の時、美術予備校の夏期講習に参加した。周りの上手さに自信を喪失したが、それ以上に楽しくて3年生から通い始め、美大を目指した。当初は東京芸大しか受験せず、浪人を繰り返し、5年目に多摩美術大学に進学。高校卒業後、実家を出て、アルバイトをしながらの浪人生活。板橋区の家賃2万円の風呂なしアパートでの生活は、「近所に予備校仲間も多く、夢を語り合う生活は、まるで『トキワ荘』のようで楽しかった」



 ○…川崎区藤崎出身。家族は予備校時代からの付き合いの妻、長男(小2)、長女(3)。実家を出てから子どもが生まれるまで川崎に戻る気はなく、ラゾーナ川崎ができたことさえ知らなかった。



 ○…今作ろうとしている拠点にはギャラリースペースを設け、作品を常設して販売したり、地域にも開放するつもりだ。「一般の方との交流や収入も生まれ、地域支援活動にもなると思います」。障害のあるなしにかかわらず誰でもが交流できる共生社会を目指す。

 

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