不登校の当事者やその保護者に向けたイベントを8月に主催した 畑 智晃さん 幸区南加瀬「寂光庵」僧侶 39歳
居場所無き人迎え入れる
○…夏休み明けの子どもの自殺を防ごうと、不登校の当事者やその保護者たちが交流できるイベント「不登校は不幸じゃない」。発起人を筆頭に全国各地の有志により開かれたイベントの「当事者たちにとっての居場所が生まれる」という部分に賛同し、昨年に引き続き川崎会場を主催した。2回目の開催となる今年は、当事者や経験者同士の座談会、「笑いを活力にしてほしい」とプロ落語家による落語の披露などの催しを用意した。
○…横浜市鶴見区出身。人間関係や学業が上手くいかず、小学5年の2週間と、中学1年の3学期以降不登校になった。準引きこもりだった14歳のとき、自分と同い年の中学生が自殺したことをテレビで見て衝撃を受けた。「自分がそうなっていたかもしれない」。信仰心の厚い家庭で育ち、幼少の頃から経が読めたことから、彼に思いを馳せて読経したという。17歳の時リハビリにと始めたアルバイトを通して、徐々に外出にも慣れていった。
○…2015年、一般家庭から出家し、現在幸区南加瀬「寂光庵」の僧侶としていじめによる自殺や不慮の事故などで亡くなった児童生徒を供養している。「悲しい気持ちを持って逝った人の魂を慰めることで、今同じ境遇を生きる子たちを見守ってほしいという思いでお祀りしている」
○…介護事業の代表理事として働く。不登校児に限らず、介護や発達障害に悩む人などの息抜きの場として「ケアラーズカフェすまいる」を月1回開催。「安らかな気持ちになれるのがその人にとっての居場所。生きづらさを抱える人たちにとって、居場所と呼べる場所を作れれば」と語る。コミュニケーションの勉強にと始めたクラウン(道化師)芸歴は8年目。「人を楽しませるのが好き」と陽気な一面も見せる。
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10月4日