武田さんと、アンプティサッカーを盛り上げたい-。昨年末に45歳で急逝した川崎フロンターレの名物サポーター故石渡俊行さん(川崎区大師駅前)の遺産の一部が日本アンプティサッカー協会に寄付された。これを受け、同協会は「石渡俊行賞」を創設。11月2日と3日に富士通スタジアム川崎(川崎区富士見)で開かれた全国大会で初めての授与を行った。
アンプティサッカーは、事故などで腕や脚を切断した人たちがクラッチと呼ばれる杖を使ってプレーする7人制の競技。同協会によると、世界30カ国以上が世界連盟に加盟し、日本では9チームが活動しているという。川崎フロンターレの前社長である武田信平さんが現在、同協会の理事長を務める。
亡くなった石渡俊行さんは、川崎市商店街連合青年部部長を務め、サッカーJ1・川崎フロンターレの黎明期から市民クラブに発展させるために力を尽くした。同クラブの中心的な応援団組織「川崎華族」を立ち上げた名物サポーターとして知られる。武田さんは親しみを込めて「俊君」と呼んでいる。フロンターレがJ1に定着し、一昨年、昨年優勝を果たした。俊行さんは7年ほど前から入退院を繰り返していたが、同クラブが強豪チームの仲間入りを果たすと、母親・石渡美彌子さんに「フロンターレはもう俺がいなくても独り立ちできた」とつぶやいた。
遺産の一部を寄付
そして「病気が治ったら、今度はアンプティを応援してフロンターレのように盛り上げたい」と、2016年からアンプティサッカーの理事長に就任した武田さんをサポートする意欲を見せていた。
昨年12月24日、俊行さんは夢を果たせぬままま亡くなったが、遺産の一部が同協会に贈られた。俊行さんの意向を汲んだ同協会は「運営のために使うのはもったいない」とアンプティサッカーの普及発展に尽力した人を選ぶ「石渡俊行賞」の創設を決めた。
表彰式には武田信平理事長と美彌子さんが出席。エンヒッキ松茂良 ジアス選手(FCアウボラーダ)に同賞を贈った。美禰子さんは、「俊行の思いをこのような形にしていただき光栄。昔のフロンターレは応援人数が100人に満たないこともあり、今日集まった観客よりも少なかった。あと何年か経ったとき、今のフロンターレと同じように多くの人に愛されるようになってもらえれば」と述べた。
九州が3連覇
アンプティサッカーの全日本選手権大会は7チームが参加。決勝戦はFC九州バイラオールと関西Sete Estrelasが対戦し、PK戦の末、九州が勝利し、3連覇を果たした。
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