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川崎区・幸区 人物風土記

公開日:2020.04.03

発達障害への偏見を無くそうと、執筆や啓発イベントを行うプロボクサー
緑川 愛(あいら)さん
神奈川渥美ジム(川崎区)所属 36歳

偏見と闘い勇気与えたい



 ○…プロボクサーとして活動する傍ら、自身も抱える発達障害(ADHD)への偏見を無くそうと啓発活動に取り組む。当事者たちの精神的、経済的自立を支援しようと、今年2月には交流会「発達女子会」を開催。孤立しがちな当事者同士のつながりを作ることにも力を入れる。同月、発達障害者のための指南書『ADHD女子革命』を上梓し、男性や当事者の親などからも「勇気づけられた」と反響があった。「発達障害は脳の特性から、誤解される行動をとって偏見を持たれることが多い。同じ悩みを持つ人を救いたい」



 ○…初めて「生きにくさを感じたのは幼稚園のとき」。集団の会話に上手く入れず違和感を覚えた。公務員時代は複数並行の作業や時間を守ることができずひどく悩んだという。16年に発達障害と診断され、「無理して苦手なことをするより好きなことをやろう」と趣味だったボクシングでプロを目指そうと決めた。



 ○…埼玉県出身。幼少からボクシングを見るのが好きで、高校時代はジムに通った。17年、プロテストに合格してからは都内のジムで経験を積み、昨年から渥美ジムに移籍。大学卒業後は高津区に住んでいたこともあり「川崎に帰ってこれた」と懐かしむ。昨年12月にカルッツかわさきで日本女子フェザー級の日本チャンピオンに挑戦した。試合には敗れたが、得意の右ストレートを武器に日本一を目指す。



 ○…「私が闘う姿を見せることで同じ障害の人を勇気づけたい」。ボクサー業では、バランス力と距離感を養うのが当面の課題。一方、川崎で発達女子会の開催を予定中とも話す。「障害の有無にかかわらず、皆何かしらの面で少数派。そう思い他者に優しくできたら」。ボクサーも啓発活動も全力で取り組む。

 

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