川崎生まれの新種の唐辛子「香辛子(こうがらし)」の普及が加速している。現在市内50軒の農家で生産されており、今年は2〜3トンの収穫が見込まれる。今夏には川崎大師の老舗蕎麦屋2店が商品化。一般消費者への認知を図ろうと、卸業者はレシピコンテストを企画。市は販売拠点づくりも視野に入れる。
辛みが少なくフルーティーな香りが特徴の香辛子。今回の商品化は表参道・川崎大師 松月庵の「あせっかきカレー南ばん」と、仲見世通り・蕎麦膳 はやまの「川崎産香辛子と夏野菜の天ぷら」。川崎区、幸区内ではこれまでに「おつけもの慶(kei)」「川崎日航ホテル」「まんまmiyu」「アジ庵美味1・2・3」「うしこぞう」「ロコスタイル鹿島田店」が活用してきており、今回の採用で8店舗となる。
和カフェダイニング・まんまmiyu(幸区・市産業振興会館内)の岩篤志(いわあつし)さんは香辛子に魅了され、今では卸売りも手掛け、4店舗に納品する。一般の人にも知ってもらいたいと、レシピコンテストの開催も考えているという。応募されたレシピを岩さんが代理で調理し、生産者などの審査員に事前に実食してもらい、オンラインで審査を行う方法で収穫期内の11月開催を目指す。「川崎南部ではまだあまり認知されていないのが現状。辛くないのに香りがいい。多くの人にこの野菜を知ってほしい」と意気込む。
市の担当者は「今年になり収穫量は安定したが、流通が課題。まず知っている人を増やすためと、今はまだ一般の人が買える場所があまりないので、販売拠点を作りたい」と話す。また今年中に活用店も今の倍くらいまで増やしたいとの認識を示した。
香辛子は2018年10月に味の素の研究所(川崎区鈴木町)で開発された。市は昨年8月から飲食店、食品加工会社、ホテルなどに出向き、サンプルを提供したりパンフレットを作成するなど普及促進に取り組み、これまでに飲食店で20件活用、食品加工で3件商品化されている。
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