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川崎区・幸区 人物風土記

公開日:2022.06.17

全日本フルコンタクト空手道選手権大会女子中量級で優勝した
吉田 優輝さん
新極真会川崎東湘南支部川崎道場所属 18歳

笑顔の奥にのぞく精神力

 ○…突きや蹴りを直接打ち合うフルコンタクト空手。5月の全国大会で優勝が決まった瞬間は実感が湧かなかったという。1、2日たってから、「うれしくて他の事が手につかなかった」ほどの喜びがこみ上げた。甘い物好きでドーナツの食べ放題に行くことが趣味。優勝のご褒美に「ホテルの高級スイーツを食べに連れて行ってもらいたい」と、厳しい格闘家とは違う一面も見せる。

 ○…川崎区貝塚で父親が指導する道場に子どもの頃から顔を出していた。道場に通う1歳上の女の子と「友だちになりたくて」5歳の時に入門。練習こそきついが、試合で自分の強さを実感できるのが喜び。ただ、高校1年までのジュニア大会では有効打の数で判定され、持ち前のパワーで相手にダメージを与えても、試合には勝てず、大会では1回戦負けがほとんどだった。昨年、ポイント制ではないシニア大会でようやく本来の実力を発揮。初出場で全国3位と躍進した。

 ○…大学受験を控えた高校3年生。週4日の道場での稽古、ジム通い、合同稽古と空手漬けの毎日を送る。それに加え、今は稽古帰りに塾へ直行。通学時間も単語帳を開く。遊ぶ暇もないハードな日々だが、稽古で鍛えた「努力し続けられる精神力」で、勉学との両立に取り組む。

 ○…9月にはポーランドで開かれる新極真会の世界大会に日本代表として出場する。ウクライナ情勢もあって戦禍に巻き込まれるのではとの周囲の心配をよそに「海外選手と試合できる楽しみの方が大きい」とさらり。「空手を通して世界とつながる機会を与えてもらえた」ことに感謝する。得意の下突きと胸への打撃を武器に「優勝します」と力強く宣言。周囲の期待も力に変え、さらなる鍛錬は続く。

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