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川崎区・幸区 人物風土記

公開日:2022.09.02

社会福祉法人青丘社の理事長を務める
三浦 知人さん
川崎区観音在住 68歳

貧困、差別と対峙

 ○…いま最も力を注ぐのは、今春、川崎区桜本に開設されたばかりの「みんなの家」(在日大韓基督教会川崎教会内)を、地域に開かれた「学びと交流の場」にすることだ。その一環として8月27日には映画上映会を開催。フードパントリーを実施するなど、取り組みは緒に就いたばかり。活動の先にあるのは、高齢者、障害者、外国人たちの差別や貧困、孤立の解消。「地域の活力が必要」といい「『私でよかったら力になる』という人たちへこの場を提供したい。それとは逆に、助けを必要としている人たちが来やすい場にもしたい。両方の人たちが出会える敷居の低い地域拠点にしたい」と語る。

 ○…福祉の原点は、大学生時代に携わった日立就職差別闘争活動。日本国籍でないとの理由で就職を拒否された在日韓国人2世の支援活動を通じ、川崎の在日コリアンと出会った。「地域で活動を手伝ってくれないか」との誘いのまま、下宿していた横浜を引き払い川崎へ。そこでは、やんちゃな中学生との関わりが待っていた。差別を受ける在日の現状を目の当たりにし、「自身の未熟さを痛感した」。そうした人たちと酒を酌み交わしながら議論し、「鍛えあげられた」という。

 ○…桜本地区で地域活動に携わり約50年。この間、市ふれあい館館長などを歴任する中、飾らない気さくさで周囲と接する。地域のまつりになると、韓国・朝鮮の民族衣装パジチョゴリを身にまとい、チャンゴを手に楽しげに踊る。

 ○…共生社会の実現を体現するだけに、昨今のヘイトスピーチに対しては憤りをあらわにする。「今はインターネットで差別主義者が仲間づくりを行う。だからより過激になる」。対抗するには「つながりを確保するしかない」と力を込める。

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