川崎区・幸区 人物風土記
公開日:2023.03.31
第39代幸警察署長に着任した
福田 博之さん
幸区大宮町在住 57歳
失敗に負けない
○…32年ぶりの幸署勤務。かつて勤務した古市場交番付近は当時とあまり変わらないが、ラゾーナなど川崎駅前の変貌ぶりには目を見張った。幸区は平和な町の印象だが、幹線道路の交通事故や自転車盗の多さなど課題もある。「事故は警察の取り締まりだけでは減らせない。信号の設置や道路の形状変更などは行政の力も必要」と連携も視野に入れる。
○…高校入学時、150cmと小柄だったこともあり「強くなりたい」と始めた少林寺拳法。指導者が警察官だったことから同じ道に。1984年に県警入りし、警察人生の3分の1が機動隊での勤務。5年前の北海道胆振東部地震の時には、神奈川県広域緊急援助隊隊長として初めて被災現場に赴いた。宿泊施設のトイレに貼られた「大変なお仕事お疲れ様です。おけがのないように祈っています」との施設職員からのメッセージに誇りと使命感を意識した。「厳しかったが充実した時間だった」と振り返る。
○…趣味はドライブ。若い頃は「車体の一部分を見れば車種が分かった」ほど車マニアで「捜査に役立ったこともある」と笑う。これまで何台乗り替えてきたか覚えていない。妻には「車を買わなければもっと金持ちだったはず」と叱られ、今乗っている車は定年まで乗ると約束させられた。この次何に乗るかを考えるのも楽しみだ。
○…署長になった今、「志を持ってなった警察官を失敗を理由に辞めさせない」と強く思う。自身も若い頃はたくさん失敗したが先輩や上司に助けられてきた。一方で責任感の強さから一度のミスで去っていった人も見てきた。「失敗は誰にでもあること。話してもらえれば、しっかりリカバリーもできるので隠さないで言ってほしい」と署員に呼びかける。
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