川崎区の富士見公園や稲毛公園で２０１６年６月５日に集会を計画していた原告３人が、公園利用を不許可にした川崎市に対し、国家賠償請求を起こした判決が７月11日、横浜地方裁判所川崎支部から言い渡された。「公園利用不許可は適法」として、１５００万円の損害賠償や市が訴訟費用を負担するといった原告の請求はいずれも棄却された。同日、市が発表した。
原告はこれまで在日韓国・朝鮮人や外国人市民へのヘイトスピーチ（差別的言動）を繰り返していた。「日本浄化デモ」と銘打ち、在日コリアンが集住する川崎区桜本地区を標的にしたデモを行っていた。
訴えを起こした集会は、１００人規模で使用する公園内行為許可を市に申請していた。これに対し市は、同年５月24日に成立した「ヘイトスピーチ解消法」に規定される不当な差別的言動を行う恐れがあると判断。「川崎市都市公園条例第３条第４項」の規定により、同年５月30日付けで不許可処分にした。
原告らによる提訴は19年５月16日付けで、延べ10回の口頭弁論などが行われた。裁判では、集会への不許可処分が適法であるか、市に賠償責任が生じるかどうかが争点となっていた。
原告の訴えが却下されたことを受け、福田紀彦市長は「判決内容については、今後詳細を確認いたしますが、本市の主張が認められたものと考えております」とコメントした。
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