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公開日:2024.01.26

木造密集地 川崎にも
川崎区、幸区に重点地区

  • 川崎市ホームページに掲載の地図

 1月1日に発生した能登半島地震で、石川県輪島市の約200棟が燃える火災が起きた。現場は狭い範囲に古い木造住宅が並び、地震で大規模火災を引き起こしやすい木造密集地域だった。同様の地域は川崎市にも点在し、川崎区小田周辺と幸区幸町周辺は、市から重点対策地区に選定され、燃えにくい街づくりの取り組みが進められている。

 川崎市によると、冬の夕方、マグニチュード7・3の市直下地震が発生した場合、火災が延焼する危険性のある地域が市内にもあり、中でも課題が大きい16地区を「防災まちづくり推進地区」に指定している。

 川崎区の小田1〜6、浅田1〜3丁目の91ヘクタールにわたる小田周辺地区、幸区の幸町1〜4、中幸町1〜4、南幸町1、都町、神明町1丁目の37ヘクタールにわたる幸町周辺地区の2つの地域は、元々その一部が国からの危険密集市街地として指定されており、さらに市が調査により範囲を抽出。住宅が密集し狭い路地が多く、火災が起きても消防車両が入ることが困難な地域で「不燃化対策重点地区」とされている。市による被害想定では、小田周辺地区で400棟、幸町周辺地区で300棟が焼失すると想定されている。

 市は対策として、16年度に条例を制定し、この地区で新たに建てる住宅などの小規模建物は火災延焼を防ぐ構造にすることを義務化、それに伴う補助制度も行っている。また、火災延焼の抑制となる空間・防災空地の設置も進めている。

 昨年度は、市の補助金を使い耐火性能を強化した住宅は、小田周辺地区で10件、幸町周辺地区で5件あった。

住民と協働で対策

 小田地区では、住民ととの協働によるまちづくりも進められている。これまで年に数回、懇談会が開かれ、街を散策し危険個所などを把握し避難ルート作成や、問題点や解決策なども話し合っている。

 小田地区まちづくり協議会の副会長を務める會田勝規さん(74)は「能登半島の地震は他人ごとではなく、同じことが起こる危険性は高い。今すぐに解決する話ではないが一歩ずつ何が出来るか話し合い進めていきたい。次の世代が安心して暮らせるようにしていきたい」と話した。

 市はこれらの対策を進め、25年度までに被害想定の35%を削減する目標を掲げている。担当者は「市民の皆様の防災への関心が高まっている。この機会をとらえ、各地で相談会を開くなど市民の不安や疑問に答え、積極的に周知を図っていきたい」と話している。

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