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川崎区・幸区 人物風土記

公開日:2024.06.14

川崎臨港警察署長を務める
石崎 弘志郎さん
川崎区在住 54歳

実直に、泥臭く

 ○…現場百回。長年、刑事畑を歩み、泥臭くも粘り強い捜査を徹底し続けてきた。「不器用なんで。スマートな仕事ができないんだ」。そう謙遜するが、署長職は一つひとつの仕事を丁寧に積み重ねた賜物だ。「育ててもらった刑事部へ恩返しするためにも、しっかり任務を果たしたい」と襟を正す。

 ○…「『一』ははじまり、『一』はすべて」。就任時の訓示ではプロ野球・野村克也監督(故人)の著書にある金言を引き、基本の徹底を署員たちに説いた。若手署員の育成にも気を配る。「失敗を恐れずに取り組んでほしい」との声掛けを忘れない。地域の安全を守る職場ゆえに必要な緊張感と風通しのよさ。培ってきたバランス感覚で舵を取る。

 ○…熊本市出身。18歳で上京し、「高校時代の先輩が神奈川県警だった影響」で神奈川県警入りした。伊勢佐木署を皮切りに、成田空港警備にあたり、小田原署、県警本部などで勤務。中原署で副署長を務めたのがこれまで唯一の川崎との接点だった。警察人生で思い出深いのは犯人を捕まえた「武勇伝」よりも、強盗事件を検挙できなかった悔しさだ。事件指揮を執る中「もっといい指示を出すことはできなかったか」と自問自答を繰り返す。今でも胸に秘めるのは「被害者に良い報告をしたい」との思いだ。

 ○…管轄する臨港エリアをパトロールをする中でしみじみ感じるのが日本のものづくりを支えてきたエリアであること。キングスカイフロントの発展ぶりにも目を見張る。注目するのはJFE 跡地。「やがては道路交通網が変わり、環境が変わる。そうなれば犯罪も変わる」現在と今後の未来に思いをはせながら的確に対処し、安全安心なまちづくりに勤しみたい」と力を込める。

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