幸警察署長に就任した 山田 高志さん 幸区在住 59歳
奉仕と細部へのこだわり
○…警察官としてスタートを切ったのが、幸区の交番勤務。元号が平成に改まった、1989年の冬だった。それから40年近くが経ち、今度は署長として再び幸署へ。定年となる最後の年を、初めて仕事をした地で迎える。「最初と最後が幸署というのは感慨深い。縁を感じる」。月日の流れと、これまでの道程を振り返り、眼鏡の奥の目を細める。
○…横浜市南区出身。小さい頃、交番のお兄さんに憧れを抱いた。父親が警察官だったこともあり、自然と警察官の道へ。心には「人助けをしたい」という純粋な思いがあった。「制服を着れば、公然と人助けができる。こんなに素晴らしい仕事はないと思った」と当時の心境を振り返る。さまざまな経験を積むうちに、生活安全課での捜査の仕事に興味を持つように。業務は、薬物銃器や闇金・詐欺の捜査、風俗店の取締りなど。自分の足で情報を取り、証拠を集め、だんだんと真実に近づいていくことに奥深さを感じた。
○…捜査に必要なのは、小さな証拠の積み重ね。細かなことをおろそかにしない精神は、今も忘れていない。署長に就任した際には、一人ひとりの細かな仕事こそ大切だと署員に伝えた。「それぞれの役割を誠実に、愚直に果たすことが区民の安全につながる」と信じ、署員たちの業務に目を配る。
○…地図を読むのが好きで、休日には地図を片手にまちを歩く。特徴的な地形を見て、かつては川や田んぼがあったのではないかと、昔の様子を想像する。その姿は、捜査に情熱を注いだあの時に重なる。「まだ幸区の図書館には足を運べていないので、近いうちに地図を借りに行きたい」。初めて制服に袖を通したまちを、再び歩く日も近いはずだ。
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6月20日
6月13日