相模原市在住外国人の住みよい環境づくりを目的に市が設置した「さがみはら国際交流ラウンジ」(中央区鹿沼台1の9の15)が、10月1日で20周年を迎える。外国人と市民の文化交流の活性化などに多大な貢献を果たしている一方で、来街者対策や近隣大学との連携など時代のニーズに沿った支援の多様化が課題となっている。今後も同施設では、対応を模索しながら利用者増を図り、より「身近なラウンジ」をめざしていく構えだ。
同施設は1996年、市内在住外国人に向けた情報提供の場、外国人を支援する団体の活動の場、さらには市民の異文化交流の促進といった3つの目的を活動の柱に誕生した。当時は市内に住む外国人の数が徐々に増加している社会情勢で、外国人が生活上の相談をする場や外国人同士の交流の場などを提供する支援団体の受け皿がなく、各団体が個別に活動するなど外国人が利用しにくい状況だったことから、団体の活動拠点をつくる必要があった。同施設の設立後、市内の国際交流の機運が高まったとされる。
現在の施設の登録数は団体会員が60団体、個人会員(日本人含む)は約250人。外国人の相談コーナーや、日本語教室が活発に行われている。その中で、最近とりわけ盛んなのはお茶会。お茶をたしなみながら外国人が自国の文化を講義するスタイルが人気だ。講義依頼を受けて会員の外国人が公民館に出向き、近隣住民らに文化を伝える動きも増えているという。
こうした中、設立20年を迎える同館で、今後に向けた課題も浮かび上がってきた。一つは、2020年の東京五輪開催により増加が予想される来街者への対応。同施設は昨年、来街者のために通訳の仕事を希望する声が広がったことから、観光をテーマにした研修会を実施した。来街者支援の一つとして、通訳ができる人材の育成を重要課題と捉えている。
もう一つは近隣大学との連携強化だ。現在は桜美林大学のサークルが登録しているため交流が活発な関係にあるが、青山学院大学に昨年新設された学部には外国人が多く在籍するので、この機会にさらに関係を深めていく契機として、連携を呼びかけていく考えだ。
「施設をもっと知って」
市内在住でタイ出身の栗原ベンチャーマートさんは、自身が相談で施設を訪れたのをきっかけに「同じ境遇の人の役に立ちたい」との思いから施設スタッフになった。栗原さんは同施設を「無料相談もあるし、たくさんの情報を得られる場所」とした上で、「まだまだ知らない外国人が多い。もっと周知して、身近な存在になってほしい」と今後を見据える。同施設の竹内重男代表は20年の節目に際し、「外国人も日本人も、気軽に集まる場所となるように運営していきたい」とし、利用者の増加に向けて意気込みを示した。
10月2日(日)には同施設ほかで20回目のフェスティバルが開催する。
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