リオデジャネイロ五輪の羽根田卓也選手の日本人初となる銅メダル獲得によって、注目度があがっているカヌー競技。道志川の三ヶ木地域に昨年、周辺住民の協力によってカヌーコースが整備され、地元ではカヌー熱が徐々に高まっている。相模原市カヌー協会では「将来的には、東京五輪の海外代表選手の練習地として誘致し、地元の観光の目玉の一つになれば」と期待する。
カヌー競技には、オリンピック種目だけで16あり、大きく分けて「スプリント」と「スラローム」の2種目に分類される。道志川に整備されたのは、スラロームの競技場だ。
スラロームは、250〜400mの急流のコースに設置された18〜25個のゲートを決められた順番にくぐり、ゲートを通過する技術(ペナルティポイント)とゴールまでの所要時間を争う競技。変化に富んだ流れのある川で回転の技を競い、船を操る技術が見所となっている。
相模原市カヌー協会(山口美津夫会長)に所属する選手はこれまで、青梅市にある御岳渓谷など遠方にまで練習に出向かねばならず、物理的に大きな負担になっていた。そうした中、同協会の関係者が、一昨年末に道志川に水量や流れなどカヌーに適した場所があることを聞きつけ、地元に日々の練習を行うことの許可を打診。津久井地区の各団体の協力を得て、昨春から練習を開始した。コース周辺の草刈りや大会開催の際のコース内のゲート設置など、地元住民も様々な分野で協力している。
整備されたコースは全長200〜300m。道志川弁天橋下流近辺に位置する。道志ダムと宮ヶ瀬ダムをつなぐ導水路であることから、水深が常時1・5m以上と水量も豊富で、流れも穏やかなことから初心者向けのコースや練習には適している。同カヌー協会事務局長の斎藤利久氏は「素晴らしい環境で地元のご理解と協力に感謝します。将来的には東京五輪の際、海外選手の練習場に誘致を行い、相模原の観光資源の一つにしていきたい」と話す。
世界レベルの選手も
4月下旬には、同コースで国体の予選を兼ねた「第1回相模原市道志川カヌースラローム大会」を開催し、100人を超える観衆が訪れた。同カヌー協会には現在、小学生から大学生までの計11人が在籍。中には2月のアジア選手権で優勝した早稲田大学4年の小島大地選手(緑区川尻)や橋本高校1年の斎藤康祐選手(同)など世界で活躍する選手も育ってきているという。
斎藤事務局長は「カヌーは年齢を重ねても楽しめる競技ですので、多くの人にカヌーの素晴しさを知ってもらえたら」と話した。
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