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【連載】町に届け、当事者の声【2】(全4回)  「嫌悪感、むき出しにしないで」 取材協力:市内NPO法人Action

社会

公開:2018年3月8日

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 市内外に暮らす高齢者や障害者、LGBT、生活困窮家庭など社会的にサポートが必要な人々の居場所づくりや支援を、実際に当事者であるメンバーらが行う「NPO法人Action」。今回は、LGBT当事者の都竹治希さんに話を聞いた。

 「LGBT」とは、レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(性同一性障害など性別に違和感がある人)の頭文字をとった言葉で、現代では一般的に「性的少数者」を指す。都竹さんは男性として生まれたが、性自認は女性のトランスジェンダー。現在は、水商売で生計を立てつつ、同法人の活動に参加している。

 都竹さんが自身の性に対して違和感を覚えたのは、小学2年生の時。クラスの男子を好きになったが、「何で自分は男なのに男子を好きになったんだろう。あれ、自分って男なのかな」と思ったのがはじまりだった。ただ、その時は子どもだったこともあり、女子と遊んでいるほうが楽しく話が合うと思うくらいで、違和感を覚えたのは一瞬だった。しかし、中学生になり制服を着なければならなくなった時、その違和感は確信に変わった。「学ランを着て男を演じなければならない。偽らなければならない」。「LGBT」という言葉がまだ普及していなかった時代。自身の性に対する考えそのものを「何て言ったらいいのかな」と悩んだ。一部の同級生に「オカマ」とからかわれ、傷つくこともあった。しかし都竹さんは、そんな同級生を相手にせず、持ち前の明るく活発な性格で中学時代を難なく過ごした。「クラスでは、今で言うとバラエティ番組のIKKOさんみたいな感じだったと思う」と冗談交じりに振り返る。その後、高校に進学するも、女子よりも男子が圧倒的に多い学校だったため交友関係が限られてしまう状況などに耐えられず、1年生の終わりに退学。フリーターになった。

 「履歴書の性別の欄は○を付けない。忘れたふりをする」―。日常生活を送る上で苦労することも多く、外出先ではトイレに困り、親しい友人と「温泉旅行に行こう」となっても気軽には行けない。そうした中でトランスジェンダーの場合、性転換手術を試みる人が多いが、「手術をしても、生理は来ないし、子どもも産めない」。「自分は偽物だ」という自責の念から完全に解放されることもない。同じ境遇で自殺に追い込まれた知人もいる。「カミングアウトする人は相当な覚悟が必要なはず。理解できなかったとしても同じ人間なのだから、嫌悪感をむき出しにせず、ただ普通に接してほしい」。そう訴える都竹さんは今、前を向き、同じ境遇の人に手を差し伸べようと歩みを進めている。
 

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