さがみはら中央区版 掲載号:2019年1月31日号
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メジャーリーグ傘下コーチ三好貴士さん(相武台出身) 「雑草魂」で拓く 未踏の世界 「あきらめなければ何かが変わる」

スポーツ

 高校卒業後に海を渡り、幾度の挑戦を経て現在、メジャーリーグのミネソタ・ツインズ傘下のチームでコーチとして活躍する日本人がいる。南区相武台出身の三好貴士さん(40)、その人だ。

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 「雑草魂」。三好さんの人生はまさにこの言葉とともにある。小学4年生頃から野球を始め、相武台高校(現相模原青陵高校)卒業後も「アメリカで指導を受けてみたい」と単身渡米。メジャーの野球学校や大学のチームでプレー後は、世界最高峰のメジャーリーグで活躍する夢を叶えるべく奔走。自主練習を行いつつアルバイトで稼いだお金で世界中を旅し、試合経験を積みながらプロテストを受け続けた。

 だが、挑んでは幾度も跳ね返される日々。それでもあきらめきれず、25歳の頃にはカナダ初のプロ野球リーグ・カナディアンベースボールリーグのチームに練習生の形で入団を許可してもらうも、現実的にプロとしてプレーする厳しさは身をもって感じていた。27歳で現役を引退すると、日本に帰国。野球とは全く畑の異なる営業職として働く道を選んだ。

異例の打診

 「これでいいのだろうか」。サラリーマン生活も3年が経った頃、三好さんはもう一度夢を追う決心をする。「人生の大半を捧げたのは野球。その道の方が勝負できる」。現役復帰後、もう一度猛練習に励み、異国の地で何度も阻まれ続けてきた念願のプロテストに合格。その後、恩師である当時のダレル・エバンス監督に認められ、日本人としては異例の「選手兼アシスタントコーチ」を打診された三好さんは、「誰もやったことがないことに挑戦したい」と二つ返事で受諾。その後、コーチ業に専念することを選択した。

 独立リーグの監督やコーチなどを歴任しキャリアを積んだ三好さんは現在、ツインズ傘下のエリザベストン・ツインズで「フォースコーチ」として勤務。監督や各コーチのアシスタントとして選手指導やマネジメントに携わる職務を担い、周囲からは「ヨシ」と呼ばれ親しまれる。日本人指導者は球団史上初で、歴史あるメジャーリーグ史上でも極めて稀という。「コーチとして、選手との関わりの中で彼らの成長を肌で感じられる。それが何より喜びにつながる」

「どう立ち上がるか」

 コーチとしての契約は単年の場合が多く、将来が定まっていない中で日本とは異なる環境下に身を置き続ける三好さん。こうした中でも「日本人初のメジャーリーグ監督就任」を目標の一つに据えるなど、今後、日本人指導者がアメリカに自信を持って渡れるよう、これまでと変わらず「誰も経験したことの無い道」を自らが切り拓いていく構え。「アメリカでは野球は『失敗のスポーツ』と言われるが、失敗した後にどう立ち上がるか。あきらめずに自分の信じた道を行けば、何かが変わるかもしれない」。最後に紡がれたその言葉は、雑草魂で世界最高峰リーグまで這い上がった三好さんの人生を確かに体現していた。

インタビューに答える三好さん。1年の大半をアメリカで過ごすが、相模原は「落ち着く場所」と話す
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