なぜ「メイプル」なのか--。設立者が建設時、ビルのチャームポイントとして覚えてもらえるよう、吹き抜けの中庭にメイプル(楓)の木を植えたのがその由来だとか。今では見上げるほどの高さにまで成長を果たした。
現在は17の店舗・企業がテナントとして入っており、飲食店から介護事業所、スポーツスタジオ、美容室まで幅広い。5階から9階は賃貸の住居だ。
バブル経済の余韻が残る90年代初頭。当時としては珍しいデザイナーズマンションで、敷地内にあるウッドデッキにはプールも設置されていた。テナントのひとつであった会員制クラブも毎夜にぎわい、ラグジュアリーな「オトナのビル」として一世を風靡した。
このビルの地下にある「メイプルホール」も、当時としては先駆けだった。ジャズライブなど相模原で本格的な演奏が聴ける数少ないスポットで、「おそらくここだけだったのでは」(同ホール・宮本代表談)というほど。時代の先を行くシンボルとして、市内外の多くの人の記憶に残る。
来年30周年を前に、現在は外壁工事が行われている同ビル。工事が終わる年明けには、さらに洗練された姿が見られるだろう。