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さがみはら中央区 社会

公開日:2022.03.17

音楽を元気のきっかけに
おやじバンド「カメレオン」

  • 前列左から高橋さん、滝瀬憲彦さん、定富さん、後列左から滝瀬慶江さん、松本さん、河井さん、宮崎さん=12日

 相模原市内を中心に活動しているバンド「カメレオン」が、震災により被害を受けた岩手県釜石市の復興支援に貢献したとして、同市の野田武則市長から2月4日付で感謝状を贈られた。

 カメレオンは市内在住の音楽愛好家で構成される平均年齢60歳の「おやじバンド」だ。メンバーは7人。代表の滝瀬憲彦さん(68)と妻の慶江さん(68)をボーカルに、ベースの高橋正樹さん(69)、ギターの河井英一さん(63)と宮崎博之さん(58)、ドラムの松本洋一さん(48)、パーカッションの定富隆さん(47)が脇を固め、和洋・新旧、ジャンルを問わず多彩なナンバーを演奏する。全員が若い頃から音楽活動を継続している「現役」で、演奏力には定評があり、ライブはいつも盛況を博す。

 そのカメレオン。2014年から18年まで毎年、あじさい会館でチャリティーコンサートを行い、その収益と会場で協力を呼びかけた募金を釜石市に寄付してきた。同市から自宅に送られてきた感謝状を手に、滝瀬さんは「ほんの少し気持ちが届けばと、自分たちにできる限りのことを続けてきた。たくさんの人にご協力いただき、釜石市の皆さんにエールを送ることができたことがうれしい」と話す。

「清横音楽祭」から 

 1998年から2007年までの10年間、「地元アマチュア音楽家に発表の場を」と当時の清新中学校PTAが中心となり、同校体育館やサン・エールさがみはらで「清(せい)横(よこ)音楽祭」が開かれた。その参加者が10年に地域の夏祭りで演奏するため再会し、即席で組んだバンド「Onedays」がカメレオンの前身だ。

 そして翌11年、震災をきっかけにOnedaysを再編し、発災直後の4月、知人宅のダンスフロアを借りて単発のチャリティーライブを開催。そこから、カメレオンとしての活動は始まった。

 何度か小規模のライブを行ううち、より大きな会場で演奏しようという話になり、あじさい会館での開催を企画。釜石市に滝瀬さんの知人が住んでおり被災していたことから同市に向けたチャリティーコンサートと位置付けた。14年11月の第1回はほぼ満員となった。

現地で交流できれば

 コロナ禍の影響で、18年を最後にコンサートを開けていない。バンド活動も休止中。今回の取材のため滝瀬さんの自宅に2年ぶりに集まったというメンバーは再開への思いを口々に述べる。「被災された方々に少しでも寄り添えたら。行動するかしないかは大きい」と河井さんが言うと、「機会があったら釜石を訪れ現地の人と交流したい」と定富さん。「自分も落ち込んだ時に音楽を聴いて元気になれた。だから音楽を元気のきっかけにしてほしい。現地で演奏を聴いてもらえたら」と続ける。以前、同市に住む知人から、バンドの取り組みが周知されていることを伝え聞いたという滝瀬さんは、「自分たちを思う誰かがいることを(現地の人に)知ってもらい、それを力にしてくれていれば」と話す。

 復興庁によると震災による全国の避難者数は約3・8万人(2月8日現在)。滝瀬さんは「復興は終わっていない。近いうちに活動を再開したい」と思いを述べた。

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