さがみはら中央区 社会
公開日:2022.09.29
マーク電子 村山忠雄さん
支援で見えた「心の笑顔」
カンボジアの小学校再建
カンボジアのチョロイコール小学校で9月6日、寄付により再建された新校舎の贈呈式が開かれた。校舎の寄贈主で、緑区橋本台にある電子・医療機器メーカー「マーク電子」の相談役を務める村山忠雄さん(80)は、式に参加するため現地を訪れ、およそ400人の児童や教員から歓迎を受けた。
同校の再建の話は1999年ごろに遡る。相模原を拠点に、カンボジア人を中心とした在日インドシナ難民の支援を行っているNPO法人「インドシナ難民の明日を考える会」(永瀬一哉代表)が、同校から発信された「校舎が傾いている」というメッセージに応じ、国内で募金活動を実施。集まった寄付金で校舎のリフォームが実現した。
それから約20年。木造校舎は老朽化し、再び修復が必要な状態になった。同会の永瀬代表は資金集めに奔走したものの思うように寄付が集まらない。そんな時に出会ったのが村山さんだった。
当時、マーク電子の会長だった村山さんは、従業員として雇用していたカンボジア人を通じて永瀬代表と知り合い、新校舎再建の計画に賛同。2019年9月には村山さんと永瀬代表で現地を訪問した。「国の在り方の原点は教育にある。しかし、実際に校舎を見たらひどい状態。これでは勉強のしようがない。文房具も鉛筆は短くなり、紙も茶色くなっていた」。現地の状況を目の当たりにした村山さんは、教室のほか、トイレの交換なども含めて校舎の新築に乗り出し、その費用のほぼ全てを出資することを申し出た。
竣工2年後に式典
新校舎は19年末に着工し、コンクリートとレンガ造りの建物が20年6月に完成した。現地で落成式を開く予定だったものの、当時は新型コロナウイルスが猛威をふるい渡航が制限されていたため交流はならなかった。
竣工から2年が経った今年9月。ようやく新校舎贈呈式が実施される運びとなり、村山さんはキャリーバッグいっぱいに文具を詰め込み、現地へ渡った。首都プノンペンから車でおよそ3時間。当日、学校では敷地内にテントを張って、制服を着た児童や教員が村山さんを出迎えた。式典では校長や首長がスピーチし、村山さんも参加者の前であいさつ。終了後、持参した文房具を村山さんが児童一人一人に手渡した。「子どもたちがとても喜んでくれた。その姿を見て、感動して涙が出た」と村山さんは振り返る。
人生のレガシーに
「ありのままの心からの笑顔を見て、これが教育の原点だと感じた。人生にとって忘れられない旅、心のレガシーができた」と村山さん。「これは一つの節目。まだ学校もたくさんある。引き続き、できる範囲で支援活動を続けていきたい」と思いを語った。
校舎寄贈の橋渡しをした同会の永瀬代表は今回は渡航しなかったが、帰国した村山さんから報告を受けた。永瀬代表は「村山さんから写真を送っていただいたのだが、子どもたちの喜びの感情が満ち溢れて、まるで動き出すように見えた」と話し、「村山さんの善意に出会えたことは私の財産」と謝意を示した。また、「チョロイコール小学校とも、長いお付き合いになった。これからもできることはしていきたい」と述べた。
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