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公開日:2022.12.01
山本松枝・梅枝作品、寄贈へ
「縁ある」渓松園に展示
相模原市出身で双子の女性画家、山本松枝・梅枝の作品がこのほど、遺族である梅枝の娘たち(長女・工藤澄子さん、次女・宝槻ひろ子さん、三女・大貫晴子さん、四女・松本さえ子さん)の手によって、山本姉妹と縁がある老人福祉センター渓松園(緑区大島)に寄贈された。
同園の設立50周年記念イベントの一つ、まちかど講座「相模原の美術史」講師のアートラボはしもと美術専門員・柳川雅史さんが、梅枝さんの娘たちに講座で使用する作品について相談し、娘たちは『籐を編む』(松枝作)と『どくだみ』(梅枝作)の2点を資料として提供。かつて松枝・梅枝姉妹は同施設で日本画講座を開いていたことがあり、娘たちから「50周年記念のお祝いに」と同施設へ2点を寄贈することになった。
双子の日本画家
相模原初のプロの作家と言われる山本松枝と、双子の妹の梅枝は1914年に大沢村(現・下九沢)に生まれた。共に女子美術専門学校(現・女子美術大学)で日本画を学んだ後、片野湘雲や安田靫彦に師事。梅枝は結婚・子育てを機にいったん筆を置くが、松枝は日本画に全てを注ぎ、院展などで活躍した。81年、松枝は同施設に日本画講座の講師を頼まれ、梅枝に同行を依頼。ほぼ30年ぶりに筆を握った梅枝は、その時間を取り戻すかのように作業に打ち込んだ。87年に志半ばで松枝が亡くなると、以後約10年、梅枝が遺志を引き継ぎ、講師を務めた。梅枝は96歳で世を去るまで、再び筆を置くことはなかったという。
今回の寄贈に際して、「二人を知らない人にも知っていただく機会になる。多くの人に見てほしい」と澄子さん。荒井哲也所長は感謝を述べ、「今後は利用者の皆さまに自由に観覧してほしい」と呼び掛けた。
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