オンライン直売所「食べチョク」を運営するビビッドガーデンの代表を務める
秋元里奈さん
相模原市出身　31歳

農家の娘　生産者に貢献を

　○…農産物などを扱う登録生産者はおよそ８０００人、利用者は75万人超。立ち上げから６年、すでに国内産直通販サイトNo.１として知られる。１００人のスタッフを率いて、プラットフォームを運営。合間を縫ってテレビのコメンテーターを務め、さまざまな取材にも対応する。生産者に貢献したい―。多忙な毎日の軸にあるのは、そんなブレない思い。貢献をと考えるのは、自身が「農家の娘だったから」

　○…実家は市内の住宅街にある。畑ではトウモロコシやトマト、みかんやバナナも育てられていた。ただ、実は野菜は幼い頃から苦手。その理由は「採れたての美味しさを知りすぎていたから」という。給食の野菜の味に驚くなど、高校生になるまで外では食べられなかったそう。今は、出会った農家らのおかげで「全て美味しくいただいております」　

　○…趣味はトライアスロン。知人の経営者に紹介されると、その場で６カ月後の大会に出ることを決めた。「25メートルも無理」だったという水泳も半年でマスター。昨年は３回大会に出場した。「今年は（過酷な）アイアンマンに挑戦できたら。でも、応援する人が半分で、止める人も半分いる」と笑う。

　○…大好きだった実家の畑を久しぶりに訪れて大きなショックを受けた。いつの間にか家業（農業）が廃業し、荒廃していたのだ。当時はＩＴ大手に勤めていたが、その景色を目の当たりにして初めて「やりたいことが見つかった」。農業をよくしていきたい―。会社を辞めＩＴ技術を活用し生産者が報われるオンライン直売所を開設。社名は、記憶に焼き付いているあの頃の「彩り豊かな農園」から。荒れ果てた畑に絶望するのは自分で最後にしたいと願う。