さがみはら中央区 社会
公開日:2025.06.12
自動車整備士不足に一石
第三者承継に活路
全国的な課題となっている自動車整備士の人材不足が、相模原市内でも深刻化している。このような状況に一石を投じるべく、30歳の若手経営者2人が立ち上がり、自動車販売・整備業者の事業承継を手がける新たな企業「Sign株式会社」(中央区下九沢)を今年4月に設立した。
Signは大手自動車買取会社の同期として出会った真屋和生さんと鈴木真悟さんが創業。第三者承継を通じ、地域の雇用や産業基盤を守ることを目的としている。
神奈川県自動車整備相模原支部の岸野富士雄支部長は「人材不足は10年以上前から問題となっている。仕事があっても後継者が確保できず、廃業する工場もある」と語る。支部として整備士の仕事に関するPRなど人材確保に努めているが、「若い人が少ないことが課題」と現状を指摘した。
Signは市内で25年にわたり営業を続けてきた整備工場「合資会社サクラオート」の事業譲渡を受け、6月末に承継を完了させる見通し。まずは若い人材を確保すべくウェブやSNSの活用を強化していく方針という。今回の取り組みが軌道に乗れば、今後は近隣の整備工場への事業承継や経営支援にも取り組む計画。承継だけにとどまらず、業務提携や仕事の相互発注といった形でも、地域に新たな連携を生み出したい考えだ。
広報やバックオフィス業務などを担当する鈴木取締役は、「車は地域住民にとってインフラ。私たちは、そのインフラを機能させる機関としてあり続けたい」と話している。
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