さがみはら中央区 社会
公開日:2025.09.25
富士見小
総合学習アワードで初受賞
社会とつながる学びを実現
小中学校を対象に特色ある総合学習を表彰する「かながわの総合学習AWARD2025」の受賞者がこのほど発表され、市立富士見小学校の荒木真人教諭(24年度6年1組担任)がパートナーシップ推進賞を受賞した。ホームタウンチームであるサッカーJ3・SC相模原の観客動員数を増やすという取り組みが、地域との関わりによって現実社会とつながった学びを実現したとして評価された。荒木教諭は「子どもたちががんばったことが評価され、うれしく思う」と話す。
同アワードは、優良事例を募集・発信することで県内の総合学習の質を向上させることを目的に(公社)日本青年会議所関東地区神奈川ブロック協議会が主催するもの。昨年に続き2度目の開催となった今年は14校の応募があった。
アイデアを生かす個別化された学習
荒木教諭が取り組んだのは、プロサッカークラブの集客を題材にした「個別最適な学びと協働的な学びで目指す 子供の心が動く授業づくり」。すべての子どもたちの思いに沿った学習展開に難しさを感じていたという荒木教諭は、「観客動員数を増やす」という一つの地域課題に対して児童それぞれが自分の興味関心や得意なことを生かせるよう授業を展開。SC相模原や地元企業の協力を得ながら、個別化された学びの充実を図った。
児童たちは対象を意識しながら集客や広報を探求。経費やデザインの検討から企業とのやりとり、会場での販売までを行ったオリジナルグッズ開発や、試合会場でのイベント企画の立案・運営、チラシやポスターを活用した広報活動など、さまざまなアイデアを具体化。学習で得た収益は話し合いの結果、学校に設置する横断幕の費用に充てられた。
9月17日、中学生になった子どもたちが完成した横断幕を見に母校を訪れた。クラスの半数ほどが集まり、荒木教諭に「今の6年生は自分たちよりもすごいことをしているの?」と聞く場面も。荒木教諭は「子どもたちの『知りたい』『やってみたい』を扱える授業であり、『本物』と関わることができるのが総合の魅力。まちを盛り上げるプロチームと関わったことが『すごいことをやったんだ』という自信につながっているのかな」と振り返った。
教員負担大きく学習の形骸化も
総合的な学習(探究)の時間は、横断的な内容について児童生徒が自発的に学習・探究する授業。必要性は認識されている一方で、各学校や教員に任せられている部分が大きく、教員の負担や学習内容の形骸化が課題となっている。
荒木教諭は教員の負担について「資金面や、一緒に進めてくれる人を見つけるのが難しい」とした上で、「学校と関わりたいと考えてくれている地域の人と教員がうまくマッチングできると、子どもたちにとって充実した学びにつながる」と語った。
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