さがみはら中央区 文化
公開日:2025.10.23
淵野辺
繋がり広がる独自の世界
10周年迎えた古本屋カフェ
「好き勝手やっていたら、いろいろなつながりができていた」――。淵野辺にある古本屋カフェ「サニーデイリング」が10月10日、開店10周年を迎えた。全国的に書店が減少する中、本好きや近隣住民に限らず毎日さまざまな人が訪れる同店。店主の岩崎翔さん=写真=は「あっという間だった。店の雰囲気も全然違った」と開店当時を懐かしむ。
自由な発想で
「10年改装し続けた。3カ月に1回くらい、気になるところが出てくるんです」。木材の温かみが感じられる店内は、席が細かく仕切られ秘密基地のような雰囲気。しかし2015年の開店当時は「中が丸見え」のガラス張りに蛍光灯が輝き「図書館」のような店構えだった。「近所の学生さんから、スケルトンハウスって言われていたらしい」。客や近くの店の店主など周囲の人の意見を取り入れつつ、自身の「こうしたい」を反映させていった結果、今の姿に。自由な配置で店内を仕切る本棚や家具は岩崎さんがDIYしたものだ。
「何してもいい」
子育て世代が多い一方で企業や大学も立地する土地柄、客層は世代を問わない。利用客の過ごし方も多種多様で、「飲み物を楽しみつつ気に入った本を読む」以外に、近所の人が家に置けなくなった本を持ってきたり、学生が空き時間に遊びにきたり。「留学生の間でも口コミで知られているみたい。何しても何も言わない店、と言われているらしい(笑)」
客同士が仲良くなることも多く、店を通してできたつながりが発展し、グッズ作りやサークル活動も進んでいるという。
変化の先に夢描く
「マンションが増えて子どもも増えて、店も入れ替わりが激しい」。まちの変化を見守りつつ、今一番興味があるのは『本』と話す岩崎さん。「電子書籍の普及で本のあり方が変わった。仕掛け絵本が売れていて、読書が体験になってきている一方で、小説投稿サイトもあったり。何でもやっていい時代」
自身も常連客らと小説を作るサークルを結成。「いつか出版社を作りたい」と語る。「店を通してつながりができて、みんなで何でもできる。好き勝手やっていいと思う。大人は遊ばないと心が疲れちゃうからね」
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