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さがみはら南区 トップニュース

公開日:2011.06.09

市内放射線量
「行政待てぬ」ネット経由で【拡散】中
市民が独自に 24時間リアルタイム配信も

 福島第1原発事故による放射能汚染の不安は、首都圏においても広がりつつある。県内の各自治体でも独自に放射線量の計測を開始。相模原市近隣では、大和市や綾瀬市が1日から測定結果の公表をはじめた。なお、3日現在、県・市による相模原市内での空気中放射線量の測定は行われていない。



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 深刻な汚染も懸念される中、独自に測定をし、インターネット経由で情報を発信している市民もいる。南区東林間で青果店『チャンプール』を経営する高岡章夫さん(54歳)は、このGW期間中に、ガンマー線測定装置・ガイガーカウンターを購入し、ツイッターなどで数値を発表(http://champoolcan.seesaa.net/)。肌身離さずカウンターを持ち歩き、1日に1回程度、店頭での値や配達中の市内各所で収集したデータをアップしている。「子どもの被ばくだけは避けたい。胎児や乳幼児など、幼ければ幼いほど、白血病や甲状腺ガンの発症するリスクが高まる」。高岡さんは”チェルノブイリ”から学んだ。



 生鮮食品を販売する以上、安全を食卓に届けることは、高岡さんにとって職業上の”使命”でもある。「行政にも調べて欲しいよ。低かったら、低かったでいいじゃん。それで安心するんだからさ」。先月末に生まれた孫の存在が、その気持ちを更に強くさせた。計測器を傍らに置く日々が続いている。

給食は?プールは? 気になる市内の放射線量

 相武台前駅そばにあるイタリアン『ラ・リチェッタ』(座間市)のオーナー、稲垣圭介さん(41歳)は、先月中旬から自らのブログ『シェフのだらりん日 記』、ユーストリームチャンネルにて、24時間リアルタイムでガンマー線の値を配信している。店舗2階の事務所に、(精度を高めるため)2台の計器を設 置。正面からビデオカメラをまわし、数値を随時中継。インターネット環境があれば、どこでも確認できるようにしている。



 数値はここ数 日、1時間あたり、0・07〜0・14マイクロシーベルトで安定しているが、福島で異変が起こると、こちらでも一気に数字が跳ね上がるそう。「食にかかわ るプロとして、店内での数値を公表しています。国も安全性を訴えるより、『これが危険』とはっきり記すことの方が大切では」と稲垣さんは話す。



  食べ物を扱う仕事をしているだけに、今回の原発事故には、必然的に強く関心をもった。外部被ばくだけでなく、食品摂取による内部被ばくにも注意を払う。市 内の畑の土壌調査などを行政に打診しているが、話はうまく進んでいないようだ。「せめて学校給食に使う食材はすべて調査をするべき」。



新・市民団体も



 また、エネルギー問題を考えるため、新しい市民団体を立ち上げた者もいる。



  前県議会議員・長谷川久美子さん(南区相模大野)が代表となり、3日に発足したのが「新しいエネルギー政策をすすめる会」。この団体が特に懸念しているの は、学校グラウンドの敷地や幼稚園・保育園の園庭における放射線量。市の教育委員会などの現場レベルでは、保護者からの心配する声が相当数上がっており、 それについては、市でも把握している。「市内のある学校の父母の間では、『プール授業がないのでは』と噂になっている」。長谷川さんらは、いたずらに不安 だけが先行していることを危惧する。今月中旬を目途に、県と相模原市に対して早期計測実現の要請を行う考えだ。



 なお、市では現在、放射線量を精密に測定するための装置「モニタリングポスト」の設置(1基)を決定している。市の担当課によれば、メーカーからの納品の関係上、実際の稼働は9月末となる見込みだ。

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ラ・リチェッタ内にある、2つのガンマー線計器。3日14時46分の数値は0.08、0.07マイクロシーベルト(1時間あたり)。文部科学省の資料によると一人あたりの自然界から受ける放射線量は年間約2,400マイクロシーベルトだそう

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