保護に新団体 クレマチスの原種
環境省が絶滅危惧II類と定めているクレマチスの一種・カザグルマ=写真=を保護し、環境整備など活動の規模を拡大させようと8月、「相模原のカザグルマを守る会」(西康夫代表)が発足した。同様の組織は全国に2カ所あるが、県内では初。同会は他県の組織などとも連携し、後世に残していく方針だ。
カザグルマは大輪系クレマチスの原種の一つ。形が風車に似ていることからその名が付いたといわれている。豊富な水資源を持つ場所に生育するため、近年は宅地化などの影響で自生地が激減。県内では横浜市保土ヶ谷区に残るものの、相模原のカザグルマは絶滅したとされていた。
しかし4年前、市立博物館の学芸員の報告により、市内4カ所で自生を確認。相模原麻溝公園(南区下溝)で活動しているクレマチスの会が保全にあたることになった。その際、後世に残すためには増殖や調査を積極的に進めることや人員を確保する必要があったため、より専門性を持たせた会を発足させることになったという。カザグルマに特化した保護団体は全国に2つしかない。会の活動としては、自生地の現地調査に加え、株数の増加に向けた挿し木のほか、県立中央農業高校(海老名市)の協力による組織培養などを試みる。一方で、観賞のための自生地の案内については、盗掘の恐れもあるため検討課題とした。
将来的には、団体を集めたサミットも計画していく考えという。市内小学校の総合学習を利用し、自生地見学や挿し木体験も予定している。
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