マルチサポート・ハウスのミール部門責任者としてソチ五輪に携わる 柳沢 香絵(かえ)さん 相模女子大学 健康栄養学科講師
バランス食で選手にベストを
〇…スピードスケート、アイスホッケー、フィギュアスケート――。2月にソチで開催される冬季オリンピックにおいて、主に「氷」の種目に出場する日本選手団のためのマルチサポート・ハウスのレストランで、食事及び補食提供をスムーズにするサポートを行う。バンクーバーに続き2度目だが、今回はマルチサポート事業ソチマルチサポート・ハウスのミール部門責任者の重責を担う。「安全面、栄養面に配慮し、且つ普段食べ慣れた食事を提供し、選手が万全のコンディションで試合に臨めるよう粛々と全力投球してきたい」
○…ひとたび食べれば強靭な肉体になれるという、あのポパイのほうれん草。「こんな食べ物、本当にあるの?」。思い起こせばそんな興味が”食”の道へのきっかけだった。幼い頃から母親が作る食卓は、いつも彩り豊かで栄養バランスもとれていた。そんな舌の感覚も栄養学を志す動機に。出身の千葉県で高校まで進み「本格的に栄養学の道を」と徳島大学医学部の栄養学科へ。スキー部のマネージャーとして選手のサポートを行い、”裏方デビュー”を果たした。
○…「私たちだって同じですよ」。トップアスリートへの栄養指導は、さも特別なものを提供するように想像するが、大事なことは、一般家庭の食卓にも共通するという。特にスポーツ選手には、巷で流行りの「低糖質食」は”絶対に不向き!”だとか。「食事はバランスが大事です。主食+主菜+副菜+乳製品+果物を心掛けてくださいね」
○…相模女子大学の講師として、スポーツ栄養学、運動栄養学を教えている。また、同大高等部のバスケ部員への栄養指導なども行う。今後目指すべきところとして、「研究を重ねて選手のパフォーマンスをより高める知識、データを増やし後輩に伝えていきたい」。この冬、我々がテレビ越しに観る日本人アスリートの活躍の裏に、最高の栄養サポートがついている。
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