▼幕末から明治にかけて開港された横浜で外国人と接した人力車夫(今ならタクシー運転手)たちが耳で覚えた英語が、いわゆる「車夫英語」だ。例えば「アメリカ製」は「ァメリカン」から「メリケン」となった。それでメリケン波止場やメリケン粉なる言葉が生まれた。しかし、なんとも珍妙なのが「英語で犬はカメだ」と言うものだ。「メリケンたちは犬をカメ、カメと呼んでいる」と車夫たちは思った。アメリカ人が犬を呼ぶときの「Come here!」の「カム、ヒア」が「カメ、ヘァ」と聞こえたのだ。それで犬のことをカメと勘違いしてしまった。
▼車夫英語の誤解は愛嬌があって面白いが、「日本はアメリカのポチである」と言う諸外国の見方は、なんとも屈辱的だ。ご主人様が「カムヒア!」と言えば、喜んでシッポを振って走って来る犬のポチ。ご主人様がアメリカで、ポチは日本。現在の日本は、かわいいペットのポチから、アメリカを助ける番犬のポチになろうとしているのではないのか。
▼昭和6(1931)年の満州事変から始まった日中戦争、さらに英米との太平洋戦争。広大な中国大陸さえも持て余していたのに、さらに広い西太平洋にまで戦線を拡大して結局は惨めな敗戦で終わった昭和20年。310万もの戦死者をだし、戦地で父を夫を息子を失い、空襲により家族や親しい仲間を失い、生活の場も夢や青春さえも失った悲惨な15年間。その傷は70年経った今でも決して癒(い)えてはいない。彼我(ひが)(英米と日本)の戦力や経済力を無視した無謀な日本の歴史上最低最悪の戦争だった。その代償に世界に誇るべき平和主義を貫く日本国憲法を得た。
▼ところが、運転手の勝手な判断(解釈)で”憲法9条と言う世界に誇るブレーキ”を利(き)かなくする改造車を作ろうとしている輩(やから)がいる。どんなに「環境が変わった」からと言ってブレーキの利かない車を走らせるのは、やっぱり無謀だ。こんな危険な大型バスに乗せられた乗客(国民)はたまったものではない!
▼戦地へ赴(おもむ)き、み浸(づ)く屍(かばね)、草むす屍と化して未だに遺骨さえも収集されずにいる英霊たちの「二度と戦争はするなよ」と言う魂の叫び声を、私たちは厳粛に聞く必要があるのではないだろうか。
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源氏物語を知る4月18日 |
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