重度の身体障害者に快適な生活の場を提供するとともに、地域の人々に支援を行う県立の障害者支援施設「さがみ緑風園」。同施設ではこの時期、職員も入居者も、朝から心待ちにしている日があるという。それは、相模原鮨商組合のすし職人が、握りずしの出張サービスに来てくれる日だ。
同園は1967年、相模原市高根に設置された。そのわずか2年後の69年から、この事業はスタート。以来49年間、施設の移転がありながらも、途切れることなく毎年無償で続けられてきた。
今年も紅林秋男組合長をはじめ、組合員のすし職人が11月15日に同施設を訪問。仕込んできた新鮮なネタを、熟練の手さばきで次々と握っていった。その数、約100人前。それも利用者の好みやアレルギーの有無、嚥下機能の状況等に応じて、さび抜きにしたり、ネタを変えたり、小さく切ったりと細かく対応しながらだが手が止まることはない。興味津々の入居者が見つめる中、約1時間で綺麗に盛り付けられた100人前の握りずしが完成した。
「色々な施設に赴任してきたが、40年以上続く行事は記憶にない。長きにわたり、本当にありがたい」。感謝セレモニーでこう述べた同園の弘末竜久園長。さらに「来年は記念すべき50回目。新たな年号にもなりますし盛大に行いたい」とも続けた。
最盛期には90軒を超えていた鮨商の組合員数も現在は25軒。職人の高齢化も進んでいる。それでも紅林組合長は、「組合にとっても欠かせない年中行事。いつも勉強させていただき、こちらがありがとうという気持ち」とした上で「元気な姿で来年も伺いたいね」と笑顔を見せていた。
さがみはら南区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
源氏物語を知る4月18日 |
|
|