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さがみはら南区 社会

公開日:2022.09.01

本村市長に聞く
災害時 空振りでも行動を

 相模原市は9月4日(日)、令和4年度相模原市総合防災訓練(第43回九都県市合同防災訓練)=画像・関連記事あり=を実施する。実施にあたり本村賢太郎市長=写真=にその概要とともに市の防災の取り組みなどを聞いた。



 ―市では3年ぶりに各防災関係機関や市民も参加する大規模な総合防災訓練を開催すると伺っていますが、訓練の概要について教えてください。



 「毎年、防災の日の9月1日前後に行う、震度6強の地震を想定したもの。相模総合補給廠の一部返還地とスポーツ・レクリエーションパークを会場とする。自衛隊、在日米陸軍、警察、消防など約100の防災関係機関が集まり合計2000人規模のものとなる」



 「地震での建物倒壊、火災などに対する訓練をする。電気ガス水道といったライフラインの復旧訓練、市民の初期消火訓練もある。また、会場では防災フェアを開催し、およそ30団体が啓発活動をする。在日米軍による大型消防車の展示もある。コロナ禍だが感染対策をした上で参加していただきたい」



 「補給廠一部返還地の他に各区の地域会場でもそれぞれ行われ、救援物資の輸送訓練やオートバイ隊『銀河』による情報収集活動訓練がある。銀河は市の職員有志9人によるもので、災害時4台のバイクで情報収集などにあたる」



ドローンも強み



 ―防災について相模原市ならではの取り組み・強みについて教えてください。



 「オートバイ隊『銀河』もその特徴のひとつだが、ドローンの活用も強み。令和元年台風の際はドローンが行方不明者捜索に役立った。現在、ドローンを扱う3団体と連携協定を結んでいる」



 「座間駐屯地に所在する陸上自衛隊第4施設群は災害があった際に全国で活動する組織で、市内では令和元年台風の時、道路啓開などにあたってもらった。また、キャンプ座間の在日米陸軍とは覚書を結んでおり、いずれも非常に心強い」



台風被害の教訓



 ―3年前の台風では大きな被害がありました。



 「令和元年台風では8人の方が命を失った。そのうち3人が土砂崩れによるもの。災害があった際は避難のタイミングが大事。『家が一番安心』と思うかもしれないが、逃げていただかないといけない」



 ―相模原市は、市域が広く各地域により環境が異なります。地域ごとに対策や訓練が必要だと思われるが、市としての取り組みや備えは。



 「緑区では橋が崩落したら行き来できる道がなくなる場所もあり、孤立対策推進地区対応訓練を行っている。また相模川、境川の洪水浸水想定区域では自治会、要配慮者がいる高齢者施設を対象とした訓練も行っている。令和元年台風では相模川沿いの高齢者施設にバスで迎えにいって高い避難場所に移送した。日頃からその様な訓練をしていかないといけない」



「絶対」はない



 ―本訓練の機会を通じて市民に訴えたいこと、学んでほしいことを伺います。



 「誰一人取り残さないという視点をもち、公助の立場で皆さんの生命財産を守っていきたい。ただ、いざ災害があったとき、自助、共助も強くしておかないといけない。地域の防災訓練、自治会加入、自主防災隊訓練などに参加して頂きたい」



 「各地域で雨の量など『これまでと違う』ところが少なくない。『多分大丈夫』という経験則でなく、早め早めの避難で自分の身を守ってもらいたい。『絶対』はない。空振りしてでも命を守る行動をしてもらいたい。『うちは大丈夫』と安心することが怖い」



 「昨年新しくした、防災ガイドブックを見て、家族でマイ・タイムラインシートを記入し、日頃から防災について話し合ってほしい」

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